細田守監督『竜とそばかすの姫』声優&見どころは?
本日(7月16日)より公開される細田守監督の新作『竜とそばかすの姫』。前作『未来のミライ』から約3年。50億人以上が集うインターネット上の仮想世界と、緑豊かな高知を舞台に展開する本作の豪華声優陣をはじめ、見どころを紹介する。
本作の主人公は、幼少期に母を亡くしてから歌うことができなくなっていた17歳の内藤鈴(すず)。今は高知の田舎町で父とふたりで暮らすすずが、インターネット上の仮想世界<U(ユー)>に<As(アズ)>と呼ばれる自分の分身「ベル」として参加。その歌声でたちまち世界に注目される存在になっていく一方で、<U>の世界で忌み嫌われる竜の姿をした謎の存在と出会う。「美女と野獣」をモチーフにしたベルと竜の交流、竜の現実世界での正体を巡る騒動などが描かれる。
声優
声優陣には多彩な顔ぶれが集結。主人公すず/ベルを務めるのはミュージシャンの中村佳穂。本作が声優初挑戦、初演技ながら自分に自信のない引っ込み思案な女子高校生と、仮想世界でカリスマ的な人気を誇る歌姫という2面性を演じ分け、細田監督を圧倒する演技力を披露。劇中での歌唱シーンも圧巻だ。そして、キーパーソンとなる竜には『るろうに剣心 最終章』2部作が大ヒット中の佐藤健。2019年公開の『ドラゴンクエスト ユア・ストーリー』に続く声優出演となる。
中村のほか、音楽ユニット・YOASOBIのボーカルikuraとしても活動するシンガーソングライターの幾田りら、女優の玉城ティナも本作でアニメ声優初挑戦。幾田はすずを歌姫ベルとしてプロデュースする親友のヒロちゃんを、玉城は学園の人気者のハイスペックガール、ルカちゃんを担当。すずの同級生に、成田凌、染谷将太も名を連ねる。すずの亡き母親に代わってすずを見守る合唱隊のメンバーに、森山良子、清水ミチコ、坂本冬美、岩崎良美、中尾幸世。すずの父親に役所広司。すずの母に、『風の谷のナウシカ』などで知られる高知出身の声優、女優・島本須美。
仮想世界<U>に登場するキャラクターに森川智之、津田健次郎、小山茉美、宮野真守らが参加。森川は<U>の正義と秩序を守る自警集団ジャスティスのリーダーで、竜の正体を暴こうとするジャスティンに。<U>で白熱する「竜の正体探し」の中で候補にあがる現代美術アーティスト・イェリネクに津田、豪邸に住む貴婦人・スワン役に小山。宮野が「竜の正体探し」を盛り上げるYoutuber・ひとかわむい太郎&ぐっとこらえ丸として、一人二役に挑む。
スタッフ
スタッフに世界各国のクリエイターが集結しており、『アナと雪の女王』『ベイマックス』などで知られるジン・キムが歌姫ベルのキャラクターデザインを担当。竜のキャラクターデザインは、書籍の装画なども手掛けるクリエイターの秋屋蜻一(あきや・かげいち)によるもの。<U>のコンセプトアートを担当したのは、ロンドン在住の新進気鋭のイギリス人建築家・デザイナー、エリック・ウォン。<U>のCG作画監督を『デジモンアドベンチャー/ぼくらのウォーゲーム!』以降、細田作品のメインスタッフとしてすべての作品に参加してきた山下高明が務めている。
音楽
<U>の多様性を表現するため、音楽も4名が担当。コンセプトは“作曲村”。メインテーマ「U」を手掛けたのは、常田大希率いる音楽集団・millennium parade 。『SR サイタマノラッパー』シリーズ、『モテキ』などの作曲家・岩崎太整、ゲームクリエーター小島秀夫の長年のコラボレーターとして知られるスウェーデン出身の作曲家 Ludvig Forssell、ドラマ「大豆田とわ子と三人の元夫」の劇判や米津玄師の「馬と鹿」「パプリカ」などの共同編曲を手掛けた作曲家・音楽家の坂東祐大が名を連ねる。
本作は、第74回カンヌ国際映画祭オフィシャル・セレクションの新設部門「カンヌ・プルミエール」に出品。日本映画として唯一の選出となり、細田作品が同映画祭のオフィシャル・セレクションに出品されるのはこれが初となる。(編集部・石井百合子)