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濱口竜介監督『ドライブ・マイ・カー』カンヌ脚本賞受賞!日本人初

第74回カンヌ国際映画祭

アンドレア・アーノルド監督からトロフィーを受け取った濱口竜介監督
アンドレア・アーノルド監督からトロフィーを受け取った濱口竜介監督 - Stephane Cardinale - Corbis/Corbis via Getty Images

 第74回カンヌ国際映画祭の授賞式が現地時間17日にフランスで行われ、コンペティション部門に選出されていた映画『ドライブ・マイ・カー』の濱口竜介監督と大江崇允が脚本賞を受賞した。邦画の脚本賞受賞は、史上初となる快挙だ。

【画像】『ドライブ・マイ・カー』監督&キャストがレッドカーペットに登場!

 濱口監督は、1978年12月16日神奈川県生まれ。商業映画デビュー作『寝ても覚めても』(2018)でカンヌ映画祭コンペティション部門初選出を果たし、短編集『偶然と想像』(2021)ではベルリン国際映画祭銀熊賞(審査員グランプリ)を受賞。ベネチア国際映画祭銀獅子賞(監督賞)に輝いた黒沢清監督の『スパイの妻<劇場版>』(2020)には脚本家として参加するなど、世界三大映画祭でその名をとどろかせてきた。カンヌでは2度目のコンペ選出となる今回、脚本賞受賞の快挙を成し遂げた。

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 壇上でトロフィーを受け取った濱口監督は、原作者の村上春樹と共同脚本家の大江に感謝。さらに「脚本が素晴らしいと思っていただけたのは、それを表現する役者たちが本当に素晴らしかったからだと思います。役者たちこそわたしの物語だと思っています」と主演の西島秀俊をはじめとしたキャストたちに感謝の言葉を送り、拍手を浴びた。

 村上春樹の同名短編小説を基にした『ドライブ・マイ・カー』は、妻を失い喪失感を抱えながら生きる主人公(西島秀俊)が、ドライバーの女性(三浦透子)との出会いをきっかけに新たな一歩を踏み出す姿を描いたヒューマンドラマ。その他の出演は岡田将生霧島れいかソニア・ユアンなど。「悲しみと再生について描いた、深い感動の物語(Variety)」「濱口監督は、この映画で世界的な才能の持ち主であることを証明した(Little White Lies)」「ラストシーンは、この映画祭で目にした中で最も美しいものの一つだ(Videodromo)」など海外メディアから絶賛され、授賞式に先んじて発表されたカンヌ映画祭の独立賞の一つである国際映画批評家連盟賞(FIPRESCI賞)なども受賞していた。日本では8月20日から公開される。

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 最高賞パルムドールは、カニバリズムを扱った衝撃作『RAW 少女のめざめ』(2016)で鮮烈な長編デビューを飾ったジュリア・デュクルノー監督の5年ぶりとなる新作スリラー『ティターヌ(原題) / Titane』(フランス、ベルギー)が受賞した。審査員長のスパイク・リー監督が誤って授賞式の初めの方で発表した。(編集部・市川遥)

第74回カンヌ国際映画祭の受賞結果は以下の通り。
■パルムドール(最高賞)
『ティターヌ(原題) / Titane』(フランス、ベルギー) ジュリア・デュクルノー監督

■グランプリ
『コンパートメントNo.6(英題) / Compartment No. 6』(フィンランド、ロシア、エストニア、ドイツ) ユホ・クオスマネン監督
『ア・ヒーロー(英題) / A Hero』(フランス、イラン) アスガー・ファルハディ監督

■審査員賞
『メモリア(原題) / Memoria』(コロンビア、メキシコ、フランス、イギリス、タイ、ドイツ、中国、スイス) アピチャッポン・ウィーラセタクン監督
『アヘッズ・ニー(英題) / Ahed's Knee』(フランス、イスラエル、ドイツ) ナダヴ・ラピド監督

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■監督賞
レオス・カラックス監督 『アネット(原題) / Annette』(フランス、メキシコ、アメリカ、スイス、ベルギー、日本、ドイツ) 

■男優賞
ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ  『ニトラム(原題) / Nitram』(オーストラリア)

■女優賞
レナーテ・レインスヴェ  『ザ・ワースト・パーソン・イン・ザ・ワールド(英題)/ The Worst Person in the World』(ノルウェー、フランス、スウェーデン、デンマーク、アメリカ)

■脚本賞
濱口竜介、大江崇允 『ドライブ・マイ・カー』(日本)

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