松坂桃李、役所広司からもらったライターを胸に…『孤狼の血 LEVEL2』への思い
俳優の松坂桃李が20日、都内で行われた映画『孤狼の血 LEVEL2』完成披露プレミアイベントに出席し、前作で共演した役所広司から譲り受けたライターを胸に、強い思いで続編に挑んだことを明かした。イベントには鈴木亮平、村上虹郎、西野七瀬、斎藤工、早乙女太一、滝藤賢一、中村獅童、吉田鋼太郎、白石和彌監督、原作者の柚月裕子も出席した。
柚月の小説を白石監督が映画化した『孤狼の血』(2018)の3年後をオリジナルストーリーで描く本作。亡くなった大上章吾(役所)の遺志を継ぎ広島の裏社会を取り仕切るようになった刑事・日岡秀一(松坂)が、刑務所から出てきた上林組組長・上林成浩(鈴木)と火花を散らす姿を描く。
劇中の松坂は、共演者からも「痩せたね」と言われるほど、ほっそりとした佇まいで日岡を演じた。松坂は「日岡は大上さんを失い、飢えた感じ。這いつくばっている狂犬のようなイメージに繋がれば」と減量した理由を語ると、シーンを共にした吉田は「僕も痩せているなと思い、タフな減量が役にとっていいことなのだろうか……と思ったのですが、スクリーンに映っている日岡の姿を見て、正しかったんだと分かりました」と称賛する。
松坂は「2018年の公開だった前作から、物語上も3年経っているという設定。前作のとき(劇中で使っていた)ライターを役所さんからいただき、個人的にもお守りのように持っていたんです。そうして温めた思いを全部ぶつけようと思って挑みました」と作品への思いを語ると、別作品で松坂と共演した斎藤も「片時も離さずそのライターを持っているのを見て、続編にかける意気込みや、背負っているものをヒシヒシと感じました」と松坂の思いを証言する。
松坂が渾身の思いで臨んだ日岡という役。その前に立ちはだかる上林は、極悪非道で悪の限りを尽くすキャラクターだ。上林役の鈴木は「どうやって日岡を追い詰めるのか、ある種ずっと攻めの芝居が求められた。ここまで攻め続ける役はなかった」と初めての経験だったことを明かすと、「相手の命を奪う役。正直こちらも削られる部分が多く、演じていてきつかった」と胸の内を明かす。
日岡と上林の対決場面では、ワンシーンで三日三晩かかったこともあったという。松坂が「体力的にも精神的にもお互いヘロヘロになりながらの芝居でした」と振り返ると、鈴木も「敵同士でしたが、やり終えたあとは戦友感が芽生えました」と健闘をたたえ合っていた。(磯部正和)
映画『孤狼の血 LEVEL2』は8月20日より公開