東出昌大主演『草の響き』公開日が決定!特報映像&ビジュアルも
佐藤泰志の同名小説を東出昌大主演で映画化する『草の響き』の公開日が決定し、10月8日より新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町/渋谷ほかにて全国順次公開されることが明らかになった。あわせてティザービジュアルと場面カット、特報映像も公開された。
本作は、映画『海炭市叙景』『そこのみにて光輝く』『オーバー・フェンス』『きみの鳥はうたえる』の原作者としても知られる佐藤の没後30年を記念して製作された作品。今回、佐藤の命日である10月10日にちなんで10月8日より劇場公開されることが決定した。
物語の主人公は、心に失調をきたして妻と二人で故郷・函館へ戻ってきた和雄(東出)。病院の精神科を訪れた彼は医師に勧められるまま、治療のため街を走り始める。雨の日も真夏の日も、ひたすら同じ道を走り、記録をつける。その繰り返しのなかで、和雄の心はやがて平穏を見出していく。そんななか、彼は路上で出会った若者たちとふしぎな
交流を持ち始める。妻の純子を奈緒が演じ、和雄の友人役の大東駿介、精神科医役の室井滋などもキャストとして名を連ねている。
公開された特報映像には、函館の街のひたすら走り続ける和雄の姿が登場し、ラストには「なんでこうなっちゃったんだろうね、私たち」という妻・純子の声がインサートされる印象的な仕上がりとなっている。
監督を務めたのは『空の瞳とカタツムリ』『なにもこわいことはない』の斎藤久志。どうしようもない孤独を抱えた人々の葛藤を静かな気迫で捉えた。「偶然だが僕は、佐藤泰志が亡くなったとされる場所からさほど遠くない所に、妻と子と4匹の猫と1匹の犬と暮らしている。そして西武線に乗って佐藤泰志の小説『移動動物園』の舞台となった恋ヶ窪の駅を通過して都心に向かう。もし、佐藤泰志が『小説』と言う人生を全うしたと仮定するなら、おそらく僕は今、「映画」と言う人生の途中にいるんだと思う。人生とは時間。それぞれの時間の重なり合った先に一つの映画が生まれました。そこに観る人の時間が重なればさいわいです」と言葉を寄せている。(編集部・大内啓輔)