ADVERTISEMENT

ジョニー・デップが『MINAMATA』に込めた思いを熱弁「水俣で起きたことは世界中で起きている」

リモートで会見を行ったジョニー・デップ
リモートで会見を行ったジョニー・デップ

 俳優のジョニー・デップが2日、製作・主演を務めた映画『MINAMATA-ミナマタ-』のオンライン記者会見に出席し、「この映画にプロデューサーとして参加することに迷いはなかった。作られるべき、日の目を見るべき作品です」と熱い思いを語った。会見にはジョニーとともにアンドリュー・レヴィタス監督も参加した。

真田広之、國村隼、美波、加瀬亮も!『MINAMATA-ミナマタ-』場面カット

 本作は、日本における四大公害病の一つである水俣病の存在を世界に知らしめた写真家ユージン・スミスとアイリーン・美緒子・スミスが1975年に発表した写真集「MINAMATA」をもとにした物語。ジョニーが製作・主演を務め、出演者にはユージン役のジョニーのほかに美波真田広之國村隼加瀬亮浅野忠信といった日本人キャストも名を連ねている。

ADVERTISEMENT

 本作に主演としてばかりではなく、プロデューサーとして参加した理由について聞かれたジョニーは「迷いはありませんでした」と即答。「ユージン・スミスを知っているということもありましたが、この作品には大事なストーリーがあります。水俣の多くの人が環境汚染で苦しみ、同じことが今も世界中で繰り返されている。水俣の人が辿った軌跡を見てもらい、企業の腐敗が見逃されることがあってはいけない。この題材は映画として作られるべきであり、日の目を見るべき作品だと感じました」と熱弁する。

 アンドリュー監督も「水俣の人たちの戦いが今も続いていること、世界中で汚染が広がり苦しんでいる人たちがいることを知ってもらいたかった。それをユージンさんというアーティストを通して表現できること、映像化できることにワクワクしていました」と語った。

 本作では、日本人俳優たちが大きな役割を果たしており、ジョニーも「日本の俳優のみなさんは、とても才能あふれる方でした」と称える。訴訟運動の先頭に立つメンバーのヤマザキミツオ役の真田について「彼は自分の撮影がオフの日も現場に来て、エキストラや演技経験のない若手の演技を助けていました。俳優としても集中力を失わず、内から自分を見つめ直す作業をしていました。一緒にいて楽しく、彼の持つ英知を共有してもらいました」と絶賛した。

 日本での公開が近づいてきたが、ジョニーは「長い年月、水俣の人たちが経験してきたことは尋常ではないことです。忘れないでほしいのは、こうしたことがみなさんの近くでも起きているという事実です。そのとき、シンプルに何か自分にはできないのか、数分でもいいから、そういった人のことを思ってもらえたらうれしい」と作品に込めた思いを語った。(磯部正和)

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • ツイート
  • シェア
ADVERTISEMENT