スタジオコロリド新作『雨を告げる漂流団地』2022年に公開&Netflix配信へ
映画『ペンギン・ハイウェイ』『泣きたい私は猫をかぶる』などで知られるアニメーションスタジオ・スタジオコロリドの新作長編アニメーション映画『雨を告げる漂流団地』が、Netflix映画として制作され、2022年にNetflixで全世界独占配信されるとともに日本全国で公開される。
監督を務めるのは『ペンギン・ハイウェイ』の石田祐康。夏休みのある日、幼なじみである小学6年生の航祐(こうすけ)と夏芽(なつめ)が、取り壊しの決まった団地で遊んでいるうちに不思議な現象に巻き込まれる冒険ファンタジーで、航祐たちを乗せた団地が謎の海を漂流するさまを描く。
キャラクターデザイン、キャラクターデザイン補佐は、『ペンギン・ハイウェイ』『泣きたい私は猫をかぶる』の永江彰浩、加藤ふみがそれぞれ担当。脚本は、石田監督と森ハヤシ、坂本美南香が手掛ける。あわせて、特報映像とキービジュアルも公開された。(須田璃々)
石田祐康監督コメント
団地に惹かれました。明快な建物の形。広々とした緑豊かな敷地。この国が焼け野原から立ち上がる象徴としてあった姿と、裏腹に疎まれ壊されてきた生い立ち。それでも、装いを更新し生き続ける姿。それもこの場所を望み、暮らし、憩う、新しい世代のために。
戦後の日本人の原風景となって、今もなお縁の下で人を支えようと頑張る存在。健気だ…。
この映画に登場するある少女は団地をかけがえのない場所と思っています。しかし周りは理解できません。オンボロ団地だのオバケ団地だの言いたい放題です。取り壊しさえ始まってしまいます。少女の思いなど、関係なく。
きっと誰にでもある大切な場所は往々にして他人にとっては他人事。でもだからこそ”自分だけの特別な体験”がそこにあったはず。そういう個人的な体験を他人に伝えるのは難しい事ですが、そこから飛び出てくる熱量を前にすると、せめて自分だけでも信じてやれないものかとなって…。
この映画はそういうことを信じた結果、タイトルにしてしまうほど団地に思いを寄せた作品となりました。こういう類のアニメ映画としては恐らく変わり者です。自分にとっても一つの挑戦となります。分かりやすく学校にするなどの意見もありました。苦しんで、悩んで、それでも信じるままに!逆に皆で一緒になって知恵を絞りつつ!…団地を船出させることになりました。
僕からしたらこんな“ちっぽけな”個人の思いを、多くの方の力を借りて大きく作らせてもらっているんです。その申し訳なさと同時に有り難いことと考え、身が引き締まる思いで取り組んでいます。…巻き込んでしまったからには…良い形にしたい!頑張りたいです。2022年、この団地が漂流する果てに少年と少女は何を見るのか。ご期待ください。