佐藤健、苦手な芝居を告白「本当にツライです」
俳優の佐藤健が1日、都内で行われた映画『護られなかった者たちへ』の初日舞台あいさつに登壇。劇中、印象的な逃走シーンがあるのだが、佐藤は「走る芝居嫌いなんですよ」とその大変さを告白した。イベントには、阿部寛、清原果耶、瀬々敬久監督も来場した。
本作は、中山七里の小説を映画化したミステリー。東日本大震災から10年目の宮城県で発生した連続殺人事件の容疑者となった利根(佐藤)と、彼を追う刑事・笘篠(阿部)の姿、そして事件の裏に隠された切なくも衝撃の真実を描き出す。
この日は台風の影響で悪天候となったが、そんな中でも来場してくれたファンに向けて、佐藤は「ご無事でしょうか? 大丈夫ですか? 寒くないですか?」と気を遣いつつ、「こういった状況の中、ここに来てくださるお気持ちが何よりもうれしいです」と感激。「最初は撮影ができないんじゃないか……ということを覚悟するくらいだったので、何とか撮影することができて、無事に撮り終えることができて、みなさまにお届けすることができて、非常に感慨深く思っています」とコロナ禍での撮影を振り返りながら、初日を迎えた喜びを打ち明けた。
そこでMCが、本作完成披露のイベント時や、“大事なシーン”の撮影でも雨が降っていたと水を向けると、佐藤は利根が笘篠に追われるシーンは雨の予定ではなかったことを伝え、「中止かな? と思ったら、逆にそれ(雨)が生かされて、いいシーンができたと思います」と満足そうに語った。
佐藤は11年ぶりに阿部と共演を果たしたことから、「大変光栄ですね。少しでも成長した姿を阿部さんにお見せしたいという気持ちもあって気合が入っていました」と照れ笑いも見せる。阿部は、「現場に入ったときに、ずっとその役でいられるんですね。その姿を見て背筋が伸びる思いがしました。素晴らしい俳優さんになられたなと思っています」と賛辞を贈った。
そんな二人の再々共演が望まれるなか、佐藤は「いちファンとしてコメディーをやられている阿部さんがすごく好きなので、そういったものでご一緒できたらうれしい」とリクエスト。一方の阿部は、「(本作で)佐藤くんを追いかけるのが楽しかったんですよ。いろんな感情が湧いてきたので、今度は逆で、逃げる側はどんな感情になるんだろう? って」と想像をめぐらせ、真逆の役をオファー。
しかし、佐藤は「(阿部は)速いですし、体力があると思いました。阿部さんが一番元気でした」と思い返し、「僕ね、走る芝居嫌いなんですよ。本当に……」と渋い顔。さらに、「マジで何回もやるからね。大変なんですよ、みなさん。今後は役者さんが走っているのを見たら、頑張っているなと思ってあげてください」と呼びかけ、「あれ(走る撮影)の時の(監督からの)『もう一回』が一番心にきますね。本当にツライですよ」と自慢のシーンの裏に隠された思いを吐露していた。(錦怜那)
映画『護られなかった者たちへ』は公開中