愛か狂気か?黒沢あすか×神尾楓珠『親密な他人』来春公開
黒沢あすかと神尾楓珠が共演するスリラー映画『親密な他人』が、2022年春に公開されることが決まった。併せて特報映像とティザービジュアルが公開された。
コロナ禍の東京を舞台にした本作は、行方不明になった息子を求め続ける女・恵(黒沢)と、騙そうと近づいてきた謎の青年・雄二(神尾)による心理スリラー。10月30日に開幕する第34回東京国際映画祭の Nippon Cinema Now 部門に出品され、11月3日にワールド・プレミア上映されることも決まっている。監督・脚本は『ハリヨの夏』『愛国者に気をつけろ!鈴木邦男』などの中村真夕。失踪した息子役を上村侑が務め、尚玄、佐野史郎、丘みつ子が脇を固めている。
ティザービジュアルと特報はともに、恵と雄二の間に生まれる不思議な愛や、親密な関係が漂う仕上がりになっている。(清水一)
中村真夕監督コメント
私がこの映画で描こうと試みたのは、日本の母親の包みこむような温かさと、のみこむような怖さだ。
14年間、イギリスとアメリカで過ごし、日本に帰ってきて一番衝撃的だったのは、日本の母親の子ども(特に息子)に対する並々ならぬ愛情の注ぎ方と、執着だった。
それはある意味、日本だけでなく、韓国や中国にも共通するアジア的なものかもしれない。
この映画では、依存し愛し過ぎるが故に、親子関係がいびつになっていく状況を、ミステリーを絡めた物語にした。
日本だけでなく欧米でも、母親は神聖なものとして扱われることが多いが、そうではない悪女性も同時に表現できればと考えている。
母性と女性の間でゆれながら、生きるリアルな女性を、これからも映画の中で描きたいと考えている。
主演・黒沢あすかコメント
演じました《石川恵》も私も決して若くはありません。
でもそのぶん酸いも甘いも経験した道を歩いて来たはずと、自分を鼓舞させた日を思い出します。
中村監督とめぐり逢い、眠らせていたもう一人の自分がざわめき立ちました。