始まりはロバート・ダウニー・Jrから…マーベル社長が語るMCUキャスティング基準
マーベル・スタジオ社長で映画プロデューサーのケヴィン・ファイギが、一流の俳優がそろうマーベル・シネマティック・ユニバース（MCU）作品のキャスティングについて、新作ドラマ「ホークアイ」のディズニープラス配信を控えた合同インタビューで語った。
年齢・性別を問わず、今や世界中で愛されているMCUのヒーローたち。常に才能あふれる俳優たちを起用し続けているファイギは、その成功の全てが『アイアンマン』（2008）のロバート・ダウニー・Jrから始まったと振り返る。
「彼の起用は、キャスティングにおいてマーベル・スタジオがほぼ最初に下した決断でした。その選択はとてもうまくいき、同時にそれがキャスティングの基準を上げることになった。これから起用する俳優は、いつかロバートと共演する。業界で最も偉大な俳優のひとりと肩を並べなくてはいけないわけですからね。現在の私たちは、人気や名声ではなく、役にとって最適な俳優を選ぶことを常に念頭に置いています」
そのうえでケヴィンは、フェーズ4からスタートしたドラマシリーズが、さらに俳優たちの可能性を広げる場になっていると感謝する。「それこそ『ホークアイ』のジェレミー・レナー。アカデミー賞ノミネート実績もあるとても素晴らしい役者です。ほかにも『ワンダヴィジョン』のポール・ベタニーやエリザベス・オルセン、『ロキ』のトム・ヒドルストンなど、ディズニープラスでは彼らのさまざまな姿をお見せできていると思います。常にその役に最適で信頼できる俳優を起用すれば、キャラクターやフランチャイズの変化に合わせて彼らも成長し、進化することができるんです」
「ロキ」から本格的にMCUに導入された、マルチバース（多次元宇宙）の概念も、俳優陣の違った一面を見せるのに貢献することになりそうだ。ケヴィンは「おおよそ全てのことが可能となり、皆さんが良く知るキャラクターを異なる形で描くこともできるようにもなりました。同一人物であっても、『ロキ』に登場したような別バージョンであったり、『ホワット・イフ...？』のように違うスタイルを見せることができますからね」。
ホリデーシーズンのニューヨークが舞台となる「ホークアイ」には、あまり関わってこなさそうなマルチバースの概念だが、今後の展開についてファイギは「マーベルコミックにおいて、物語を展開させる素晴らしいツールであると感じていた要素を取り入れることができたのは、本当に嬉しいことです。フェーズ4では、この概念を深く掘り下げていきたいと思っています」と語っている。
オリジナルドラマシリーズ「ホークアイ」は、アベンジャーズの初期メンバーとして活躍してきたホークアイことクリント・バートンを初めて主役に据えたドラマシリーズ。『アベンジャーズ／エンドゲーム』後の世界を舞台に、クリスマスを家族とすごすためニューヨークを訪れたホークアイが、アベンジャーズになりたい若き弓の使い手、ケイト・ビショップ（ヘイリー・スタインフェルド）と共に、自身の暗い過去にまつわるトラブルに巻き込まれる。（編集部・入倉功一）
「ホークアイ」はディズニープラスにて11月24日（水）より日米独占配信（初回は2話配信）