関口メンディー、素朴な役に手応え「新しい引き出しができた」
関口メンディー(GENERATIONS from EXILE TRIBE・EXILE)がオムニバス映画『昨日より赤く明日より青く-CINEMA FIGHTERS project-』(11月26日公開)の撮影現場で取材に応じ、主演を務めた短編『真夜中のひとりたち』について、「新しい引き出しができた」と充実した表情で語った。そして、俳優としての活躍を志しながら「漢字の名前の役はやれないと思っていた」という過去からの心境の変化を明かした。
本作は、EXILE HIRO、俳優であり、「ショートショート フィルムフェスティバル&アジア」代表の別所哲也、作詞家・小竹正人らが手掛け、詩と音楽、映像を融合するプロジェクト「CINEMA FIGHTERS project」の第4弾。それを構成する短編の一つであり、関口が主演する『真夜中のひとりたち』は、新城毅彦監督(『午前0時、キスしに来てよ』など)がメガホンを取り、都会で偶然出会った男女の一夜の出来事を情感たっぷりに描く。
すごく気持ちよく芝居ができた
撮影は2020年1月。極寒の早朝、新宿中央公園にて夜明けのシーンの撮影が行われていた。役衣装であるフォーマルスーツにジャンパーを羽織っただけの関口だったが、寒そうなそぶりはなく、笑顔で監督の指示に耳を傾け、合間には夜空を見上げるなどリラックスした様子だった。夜通し行われた撮影を終えた関口は「こういう朝までの撮影は慣れてはいますが大変でした。ただ、撮り始めてからあっという間でしたね」とほっとした表情を浮かべる。
新城監督とは今回が初タッグ。「新城監督とは事前の本読みの段階で作品についてすり合わせができていたので、現場では基本的に任せていただきました。特別な役づくりをしたわけではなくて、ある意味で素のような感じでやらせていただき、すごく気持ちよくお芝居できた気がしました」
一方で「今までにない、新しい引き出しができたという感じがします」と語る理由は、今作で演じた青木というキャラクターにある。青木は「地元にいる素朴な男というイメージ」で「その純粋さをすごく出したかった」という。『HiGH&LOW』シリーズの巨漢の囚人・フォー、『PRINCE OF LEGEND』シリーズの金髪SP王子・ガブリエル笹塚、特撮ドラマ「ひみつ×戦士 ファントミラージュ!」のボス・ファンディーなどインパクトの大きい役で印象を残してきたが、それとはまったく違う挑戦になった。
「自分はいわゆる“キャラもの”しかできないと思っている節がありました。今まで演じた役もそうでしたので。でも今回はそういう役ではなく、さらに『素の感じで演じてみて』という指示もいただけました。このように青木という漢字の、普通の日本人の役はやれないと思っていましたが、それを違和感なく演じられました。今後も色々な役に挑戦してみたいと思っています」
関口は高校時代にはお笑い芸人を志していたが、やがてダンスをはじめ、LDHに入所。俳優業もふくめたマルチな活躍を目指していたものの、俳優としては「思っていたより演じられる役がない」と挫折も味わったが、このところ心境の変化があったそう。
「最近、日本には日本人だけではなく色々な国籍の人がいて、役や人種も絞られなくなってきているから、(俳優として)全然いけるんじゃない? と言われたんです。それで、ああ、なるほどなあと。最近は芝居するのがすごく好きで、とても前向きです」
アーティストの顔、俳優の顔は「全く違う」
『昨日より赤く明日より青く-CINEMA FIGHTERS project-』はSABU、新城毅彦、山下敦弘、森義隆、真利子哲也、久保茂昭という監督陣による6本の短編作品で構成され、関口が所属する GENERATIONS from EXILE TRIBE のメンバーがそれぞれ主演・主題歌を務めるなど、全員が参加している。
「音楽、歌詞の世界観と映像をリンクさせるというこのプロジェクトは、音楽を歌とダンスで表現するLDHとすごくマッチしていると思います。今回はGENERATIONSのメンバーが演じるということで、どれも独特の世界観で見応えのあるものに仕上がると思いますし、映画を観た後は歌が違う聞こえ方をしたり、また曲の楽しみ方が増えるのではと思います」と期待を寄せる。
オムニバス形式ということで、ほかの作品について「めちゃめちゃ気になってます」と興味津々。メンバーは音楽活動での顔も、演技の場での顔も知る仲間。「表現者という部分に変わりはありませんが、アーティストの時と俳優の時は顔が全く違う。その違いがすごく面白いなと思います。それに自分の知らないところで活躍している姿を見るとすごく刺激になりますし、誇らしくもあります」
ただし、どんな場にいてもスタンスに変わりはない。「LDHではHIROさんによく『ゲストではなくホストになれ』とよく言われるので、基本的に居方は変わりません。この CINEMA FIGHTERS はLDHのプロジェクトでもあるので、もちろんホスト側なのですが、周りを盛り上げながら良い現場環境を作りたいというのはいつも思っています」(取材・文:小山美咲)
映画『昨日より赤く明日より青く-CINEMA FIGHTERS project-』は11月26日公開