『マトリックス』サティー役のプリヤンカー・チョープラ、長セリフで緊張の撮影
映画『マトリックス』シリーズ新章『マトリックス レザレクションズ』に出演するインド出身の人気女優プリヤンカー・チョープラ・ジョナスが、自身の役どころについて、再びネオ役に復帰したキアヌ・リーヴスとの共演を振り返りながら語った。
【動画】トリニティー救出へ!『マトリックス レザレクションズ』本予告編
人類が機械の生み出した仮想世界=マトリックスにとらわれた未来を舞台に、再び主人公ネオ(キアヌ)の覚醒が描かれるという『レザレクションズ』。いまだに物語の多くが謎に包まれている本作で、プリヤンカーは、サティーという名のキャラクターを演じる。
サティーといえば、シリーズ3作目『マトリックス レボリューションズ』 (2003)でネオが出会った、インド系の少女の姿をしたプログラムと同じ名前。『レザレクションズ』の予告編で、サティーを保護した預言者オラクルを思わせるビジュアルも披露しているプリヤンカーは「ネオと初対面ではないキャラクターを演じている、とだけは言えます。そのことに本当にワクワクしました。SNSが大好きなので、ファンの皆さんの考察を読んで一緒に参加している気分になったり。けっこう正しい意見もあったりして、それがまたうれしいんですよね」
『マトリックス』のオファーが届いた時は、ちょうどインドで別作品の撮影中だった。「ラナ(・ウォシャウスキー監督)が私に会いたいと言っていると、エージェントから電話があったんです。翌朝には飛行機に乗ってサンフランシスコに飛びました。到着したころには疲れ切っていましたが、ラナと話をしているうちに、すっかり彼女の存在感に圧倒されました。どんな話題でも、彼女の豊かな表現力に酔いしれてしまうんです。あんなに心地よい緊張感を覚えたのは初めて。そんな彼女が私をイメージしてこの役を書いてくれた。ラナのもとでこの作品に参加できたことに心から感謝しています」
自身の役どころについては「伝説的なフランチャイズに、小さな役なりに関われたことに感謝しています」というプリヤンカー。しかしそんな彼女に用意されていたのは、かなりの長セリフだった。「屋外で夕陽をバックにしたシーンだったから、日が沈まないうちにセリフを言い終えなくてはいけなくて。キアヌたちもいたけど、共演者は意識しないように努めました。そうでもしないと、かまずに言い終えることはできないと思って。ものすごいプレッシャーだったけど、無事に終わったとき、自分のことがやけに誇らしくなりました」
そんな状況において、主演のキアヌの存在は大きな助けになったという。「キアヌと仕事ができるなんて、子供のころからの夢がかなったような体験です。彼は、大スターが持ってる要素を全て備えているのと同時に、とても謙虚で共演者を励ましてもくれる。実際、現場で私が大変そうだったのを察して『大変だったね。でも、すごくよかったよ』と声をかけてくれました。共演者からそういった言葉をかけられるだけで、現場ではエネルギーがわいてくるもの。キアヌはそうした姿勢を持った人なんです」
『マトリックス』については、「どんなに頑張っても完全には理解できなくて、本当にもどかしかった」というプリヤンカー。「でも、どうせ理解不能なんだからと割り切ったら気が楽になりました。役へのアプローチについては、ラナが髪や服装、セリフのトーンまで、明確に方向性を示してくれましたから」という彼女は、先立って鑑賞した本編にも手ごたえを感じている。「ファンの期待の全てに応える作品になったと思います。とてもエモーショナルで、ノスタルジーを感じました。再び『マトリックス』の世界を観られるのはともてマジカルな体験だったし、あらためて世界観の深さに心動かされるはずです」(編集部・入倉功一)
映画『マトリックス レザレクションズ』は12月17日より全国公開