岡田結実、朝ドラ・雪衣役に苦戦「よく分からない」
放送中のNHK連続テレビ小説第105作「カムカムエヴリバディ」で、雉真家に仕える女中・雪衣を演じている岡田結実。朝ドラ初出演の岡田が、自身とは正反対だという雪衣役の難しさを明かした。
朝ドラ史上初となる3人のヒロインで紡ぐ「カムカムエヴリバディ」(月~土、総合・午前8時~ほか、土曜は一週間の振り返り)は、戦前から戦後、そして令和の時代に、ラジオ英語講座と共に歩んだ母から娘へとバトンをつなぐ、三世代100年のファミリーストーリー。初代ヒロイン・安子を上白石萌音、二代目ヒロイン・るいを深津絵里、三代目ヒロイン・ひなたを川栄李奈が演じる。2007年後期の朝ドラ「ちりとてちん」を手掛けた藤本有紀によるオリジナル作品で、主題歌はAIの「アルデバラン」。語りは城田優が担当している。
岡田が演じる雪衣は良家育ちの上品な女性で、控えめな性格だが、よく気がつく働き者。雉真家と深い縁を持つことになるが、ある理由から安子に対して複雑な思いを抱くようになるという役柄だ。(清水一)
Q:「カムカムエヴリバディ」に出演することが決まったときの気持ち
実は私、この作品のヒロインのオーディションを受けさせていただいたんです。“朝ドラ”のオーディションを受けたのは久しぶりで、3度目くらいのチャレンジでした。大阪で受けた最終審査では台本がとても難しく感じて、安子という人物を演じ切るのは無理だなあとオーディションを受けながらも感じてしまい、悔しかったです。「きっとこの作品に関わることは叶わないだろうな」と、号泣しながらNHKから帰ったんですよ(笑)。雪衣役でお声がけいただいたときは、あたたかいスタッフさんたちと恵まれた環境の現場に、ドラマ制作の一員として参加できることが純粋にうれしかったです。「カムカムエヴリバディ」という作品に携わることで、人としても成長できたらと思っています。
Q:役柄の印象は?
私自身は雪衣と正反対です。演じるに当たって、雪衣と似ている部分を探してみましたがあまり無くって……。(人を好きになったとき)雪衣は抑えて抑えて溢れちゃうっていうタイプで、私は抑えられない人間です(笑)。だから、勇に対する気持ちをどこまでこのシーンで出すかとか、どこまで抑え込んでいるんだろうとか、繊細な部分が難しかったですね。(好きという気持ちが)出すぎてないかなって心配で、モニターを見ては好きが出すぎてないかな……? とチェックしていましたね。雪衣は健気ですてきだなと思うのですが、奥が深すぎてよく分からない部分に苦戦しています。息苦しいだろうな、せつないだろうなと思います。だからこそ雪衣は優しい人になれるのだとも思います。私も雪衣のようにだれかのために行動する、無条件な愛をみつけたいなと台本を読んで思いました。
Q:初代ヒロイン・安子役の上白石さんの印象は?
萌音さんは本当にテレビで見るまんまのやわらか~い方です。あんこのように、みんなを包み込んで甘い気持ちにしてくださる方です。お芝居もすごく柔らかくて、雪衣としては安子さんと関わるとちょっとジェラシーを感じるシーンもあるのですが、そういうシーン以外ではずっとこの柔らかい場所でお芝居していたいなと思える、そんな空気をつくってくれる方です。役柄のイメージや、るいの子役さんと接している雰囲気のせいもあって、現場にいるときの萌音さんはみんなのお母さんみたいな存在だと思っています。雪衣は濱田岳さんが演じられる算太とも関わりがある役なのですが、私、濱田さんが大好きで! もう濱田さんに緊張しちゃって、演技ができないという現象がありました(笑)。当時はお家柄や昔からのかたちにいい意味でも悪い意味でも縛られていた時代かなと思うんですけど、算太さんってほんとうに型にはまらず、家柄などにもとらわれず、自分の好きなように生きている人で、これからの自分の人生を考え直してしまうぐらい私にとって衝撃的な役でした。
Q:視聴者へのメッセージ
ドラマの中には観ていてつらくなるシーンもあるとは思うんですけれど、それを越すぐらい、あたたかでやわらかい、あんこのような世界観に浸っていただけると思います。この作品は「みんなにひなたの道を歩いてほしい」というメッセージがすごく伝わる作品ですが、観ている方に無理して明るくしてと押し付けるようなものではなくて、「自分なりのひなたの道をみつけてね」といった感じなんです。とても心に寄り添ってくれる作品だと思うので、何も考えずに安子たちを観て、ちょっとでもあたたかい気持ちで朝を迎えていただけたらなと。そんな思いを込めて作品に携わらせていただいております。