「青天を衝け」最終回ラストに熱狂 走り続けた栄一&吉沢に「お疲れ様でした」やまず
26日、吉沢亮主演の大河ドラマ「青天を衝け」(NHK総合ほか)が最終回を迎え、吉沢演じる主人公・渋沢栄一の現代人へのメッセージを感じさせる感動のラストが反響を呼んでいる(※一部ネタバレあり)。
本作は、幕末から明治にかけて約500もの企業を育て、約600の社会公共事業に関わり「日本資本主義の父」と称された栄一の波乱万丈な人生を追う物語。主演の吉沢が27歳にして13歳から91歳までを演じ切ったことでも注目を浴びた。
最終回「青春はつづく」は、徳川家康(北大路欣也)の「今日で終わりとは寂しい限りだ……」という家康のナビゲーションからスタート。笠松将演じる栄一の孫・敬三のナレーションで進行し、栄一の80代から90代までが描かれた。老いてもなお栄一の気力は衰えることなく、6時に起床し、入浴、朝食をすませると多くの訪問者が詰めかけ、公衆衛生、都市開発など15時間にわたってせわしく働く日々。世界各国で反日運動が起きるさなか、アメリカで迫害を受ける日本人移民に心を痛めていた栄一は82歳にして4度目の渡米を果たし、そのバイタリティーで視聴者を圧倒していた。
1923年に起きた関東大震災でも、栄一は被災者のために精力的に活躍。富裕層を憎む人々の動きもあるなか、栄一は周囲の反対を押し切って「こういう時こそ老人が働かなくてどうする。田舎に引っ込むなど卑怯千万!」と救護所を開くために奔走。そんな時、栄一を驚かせたのが反日運動のさなかにある中華民国から日本に寄付金が送られてきたことだった。
なかでも注目を浴びたのが、長雨で被災者が1,000万人に及ぶ中華民国を支援するための寄付金を募るべく、ラジオで呼びかけた栄一の演説。今や体がままならなくなっていた栄一のため、栄一の邸宅に機材が持ち込まれラジオ局に早変わり。自宅から「中華民国とは同じ文字を使い互いに手を取り合ってきた」「関東大震災のときにたちどころに多くの義援金を送ってくれた。どれほど励まされたか思い出してください」「人が困っていたら助け合いましょう」と日本の人々に訴えた。とりわけ視聴者に響いたのが、かっさま(和久井映見)に倣った「皆がうれしいのが一番なんだで」という言葉で、初心を忘れない栄一の信念が多くの心を揺さぶっていた。ちなみに、ドラマでは劇中よく栄一が「胸がグルグルする」という表現を用いていたが、本エピソードでは老いたためか「胸がムベムベする」に変わっていた。
日本の未来への使命に燃え生涯走り続けた栄一は、永眠する直前もユーモアに富んだ言葉で家族を和ませ、後日開かれた栄一の追悼会では栄一の遺志を継いで経済の道に進んだ孫・敬三がスピーチを披露。「偉人という言葉は祖父には似合わない」と切り出したその言葉は、栄一の人柄を鮮やかに呼び起こすものだった。敬三を通して栄一の願いを現代人に託すかのような爽快なラストに「涙が止まらない」「快なり!」とSNSで盛り上がり、栄一、そして演じる吉沢に「お疲れ様でした!」という労いの言葉が次々と寄せられている。
なお、本ドラマの総集編を2022年1月1日、3日に放送。スケジュールは以下の通り。(編集部・石井百合子)
BS4K:1月1日
午後1:30~3:15 第1部(55分)・第2部(50分)
午後3:15~4:59 第3部(54分)・第4部(50分)
NHK総合:1月3日
午前8:15~10:00 第1部(55分)・第2部(50分)
午前10:05~11:49 第3部(54分)・第4部(50分)