『劇場版 呪術廻戦 0』五条悟役・中村悠一が考える“最強”とは？

　人気アニメシリーズ「呪術廻戦」の人気キャラクターであり、最強の呪術師・五条悟を演じる声優の中村悠一。初の映画化となる『劇場版　呪術廻戦 0』のアフレコ収録を振り返り、あらためて感じた“最強”声優のすごさを明かした。

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　芥見下々原作による人気コミック「呪術廻戦」の前日譚「呪術廻戦0 東京都立呪術高等専門学校」をアニメ化した本作は、事故で失った幼なじみの呪いに苦しむ高校生・乙骨憂太が、東京都立呪術高等専門学校に編入し、呪いを解こうと歩みだす物語が展開する。

　中村演じる呪術高専の教師・五条という役柄は、コミカルな面やシリアスな面、生徒思いの面など、多様な面を見せるキャラクター。テレビアニメから声優を担う中村は「すべてが本当の彼の一面だと思うんです。全部が全部、本気で正直な表現なんじゃないかなと思っています」というが、演じる上で難しいなと感じるのはコミカルな演技の部分だと明かす。

　「突拍子もなく『おつかれサマンサ』なんてセリフが出てきますからね」と笑いながら切り出した中村は、「それは五条だから良いと言われてるんでしょうけど、僕が高校生だったら、先生がそう言ったら無視するかもしれない」とジョーク交じりにコメント。「でもそこで生徒たちから面倒くさいと言われても構ってもらえる。同じ輪の中にいられるというのは、五条というキャラクターの人徳なのかなと思います」と分析。しかし演じる側としては「そのテンションが難しいなと思う時はあります。もう落ちついてもいい歳なのに、という感じはあります」と冗談めかして付け加える。

　本作は、「呪術廻戦」初の映画化ということで、中村自身も「『0』の映画化について、多くの方から期待していますという声をいただきますし、楽しみにしている方が本当に多いんだなというのを感じました」とその人気を肌で感じているという。中村は、主人公である乙骨憂太役の緒方恵美と一緒に収録する機会もあったそうで「あのクラスの方たちがやるお芝居というのはひと味違うので。そこに刺激を受けながら収録ができたというのは、得難い経験でした」と目を輝かせる。

　五条と乙骨の出会いを機に、物語が動き出す本作。「緒方さんが演じる乙骨は起伏があるキャラクター。僕が演じる五条とは逆のキャラクターなので、一緒にお芝居をさせていただいて、中村個人として刺激をすごくいただきました。やはりこれぐらい全力で取り組んでいかなきゃいけないんだな、やはりこの熱量が大事なんだなと。これは忘れちゃいけないもの」と尊敬する“最強声優”のひとりである緒方との共演では、多くのものを得た様子だ。

　最強の呪術師を演じる中村は、本作でミゲル役の声優を務める山寺宏一のことも“最強”と感じているそうだ。山寺演じるミゲルは海外から来た凄腕の呪詛師で、母国の術師が何十年もかけて編んだ縄を武器にしており、五条と熾烈なバトルを繰り広げる役柄となるが、「今回は五条と戦う人が“最強の声優”なんで。設定上“最強”役の私と、名実ともに“最強の声優”が戦うというのはやりづらいなとは思いました。今回、収録は別だったのでお会いすることはできず、直接言うことはできなかったんですが、心の中では山寺さんに『なるべく負けそうな芝居をしてください』と。そういう風に思いながら演じていました」と冗談めかす。

　また、「山寺さんみたいに、お芝居ができるということは大前提としてありつつも、あれだけ音色を変えることができて、それを全部成立させられる人というのはだいぶ稀有なことなんです」とそのすごさを力説する。「どうしてもアニメの収録現場では、先輩が見守る側であったり、導いたり守ったりする側であり、僕らはただがむしゃらに現場で戦う、みたいな関係性が多い中で、今回は山寺さんと戦うことが叶いました」と喜んでみせ、緒方や山寺について「共演させていただいて光栄であると同時に、最強ぶりを感じますね」と振り返っていた。（取材・文・撮影：壬生智裕）

映画『劇場版　呪術廻戦 0』は公開中