有村架純、「ひよっこ」磯村勇斗と再共演に感慨 「変わらず穏やかで力強い」
女優の有村架純が20日、都内で行われた映画『前科者』(1月28日公開)の公開直前舞台あいさつに出席し、NHK連続テレビ小説「ひよっこ」で夫婦役を演じた磯村勇斗との再共演を振り返った。
WOWOWで連続ドラマ化された、原作・香川まさひと、作画・月島冬二による同名漫画を映画化した本作で、有村は罪を犯した前科者たちの更生・社会復帰を目指し奮闘する保護司・阿川佳代を演じた。壇上には共演者の磯村勇斗のほか、森田剛、石橋静河、岸善幸監督も登壇した。
本作を観た感想を問われた有村は、「台本を読んでいた時に抱いていた印象と違い、エンターテインメント性のある作品に仕上がったなって。みなさんの演技が素晴らしくて、実力のある方に囲まれて仕事できていたんだってじわじわ感激しながら見ていました」と話す。
演じた保護司がボランティア活動であることを、映画を通じて初めて知ったという有村。「人の更生を手助けするのはどういうことなんだろうって。加代を通じて知りたいなって思うようになりました。保護司についての資料を読んだり、ドキュメンタリー映画を見て、加代を作っていきました。佳代は、自分が受けた傷を正当化したくて保護司になって、保護司になることで汚れた感情がクリーンになるんじゃないかって複雑な思いを持って生きている。佳代が社会としっかり向き合うことで成長できればいいなと思いながら演じていました」と、どのような思いで撮影に臨んだのか述懐。
劇中、佳代の中学時代の同級生で刑事の滝本を演じた磯村とは、朝ドラ「ひよっこ」(2017)と続編「ひよっこ2」(2019)以来の共演。「照れ臭さがありながら、この4年間いろんな経験をして、充実した目をしているのを見られてよかったなって。ご本人の性格は変わっていなかった。穏やかで力強くて」と振り返り、磯村を「大切な仲間」と呼ぶ一幕も。一方、磯村も「この撮影を楽しみにしていましたし、二人の撮影が再会のシーンで。感慨深いものがありました」とコメント。「(『ひよっこ』では)夫婦の役をやってきたので、今回は真逆の役柄。安心感もあったし、変わらず前に立ってくれていて、こちらもやりやすかった。何を投げても受け止めてくれました」と有村に信頼をにじませる。
磯村はまた、有村について「人としても役者としても大きく羽ばたいているんだなと思いました」とも話し、「朝ドラで一緒にやって、今でも連絡を取ったりするんですけど、いつも『お互い頑張ろうね』って言ってくれる。すごく先を進んでいるのに、貪欲に頑張っている姿を見て、刺激や勇気をもらっています。僕も頑張ろうって気持ちになります」と朝ドラ後も続く交流について明かしていた。(取材・文:名鹿祥史)