竹内涼真、アニメ声優挑戦でさらなる意欲「可能性が広がった」
俳優の竹内涼真が4日、TOHOシネマズ六本木ヒルズで行われたアニメーション映画『鹿の王 ユナと約束の旅』初日舞台あいさつに出席。本作に声優参加し、アニメ声優デビューを飾った竹内は「自分の可能性が広がったので、またやってみたいです」とさらなる意欲を語った。この日は、監督である安藤雅司も登壇し、竹内に似顔絵をプレゼントした。
本作は、本屋大賞を受賞した上橋菜穂子の人気小説シリーズを原作とするアニメーション映画。強大な帝国が支配する世界を舞台に、謎の病から生き延びて旅を続ける血のつながらない父と娘、その病から多くの命を救おうと奔走する医術師など、過酷な運命に立ち向かう人々の絆などが描かれる。企画の立ちあげからおよそ6年、2度の公開延期などを経て、ようやく初日を迎えることとなった。
映画上映後、満席の観客の前に立った竹内は「やっと公開できて。皆さまのもとに届いたんだなと実感しました。楽しんでいただきましたか?」と客席に呼びかけ。観客からは大きな拍手が起こり、その様子に竹内も満足げな様子だった。
竹内にとって、天才医師ホッサルを演じた本作がアニメ声優デビューとなる。「難しかったのですが、役づくりという意味では特別違うという印象はなかった」と振り返り、相手役を務めた本職の声優の技術に衝撃を受けたという。「監督が欲しいキーをピンポイントに、一発で出すのが衝撃的で。何十回も延々とやらせていただけたのですが、その作業が本当に楽しくて」と明かすと、安藤監督も「取りあえずOKテイクは出ているのですが、もう一度やってもらったら、そっちの方がいいなという発見があって。そのうち、もう一回やらせてくれというのを待つようになっていましたね」と笑いながら振り返る。
また、竹内は「自分のエゴになってはいけないと思うのですが、自分がやるホッサルとリンクしたくて」と続けた竹内。「(実写では)秒数が出てこないので、長いセリフがあると、そろそろ時間だなと気を取られちゃうんです。(ホッサルとして)セリフを会話としてできるまでやらせてくださいと。いいよと言っていただいて、楽しくやらせていただきました」と述懐。
さらに、「また一つ宝物が増えました。自分の可能性が広がったので、またやってみたいです」と今後の声優業にも意欲を見せる竹内。原作者の上橋から、聞き心地が良い声だったという感想が綴られた手紙を受け取ったそうで「今日は気持ちよく眠れます」とご機嫌な様子を見せた。
最後に、安藤監督から竹内に似顔絵のプレゼントが贈られる一幕も。竹内は「これは熱いな!」と興奮した様子で「僕、自分の顔を描いてもらった時に、だいたい似てないんです。でも、これはほぼ僕ですね。こんなに綺麗に描いてもらって。安藤さん、すごいなぁ……」としみじみ。新たな宝物を手にし、満面の笑みを浮かべた。
なお、この日はサキ役の杏も登壇予定だったが、新型コロナウイルスの濃厚接触者にあたることから欠席に。この日はメッセージが寄せられ、司会者が「とても元気なので駆けつけたい気持ちではありますが、残念ながら本日はそれが叶いませんでした。奇しくもこの作品と共通点が見いだしやすい世の中になっている現状ですが、その分多くの共感と勇気を得て、未来へと踏み出すきっかけとなると思います」と代読を行った。(取材・文:壬生智裕)
映画『鹿の王 ユナと約束の旅』は全国公開中