磯村勇斗、山本直樹原作『ビリーバーズ』で映画初主演
俳優の磯村勇斗が、カリスマ的人気を誇る漫画家・山本直樹の青年漫画を『アルプススタンドのはしの方』などで知られる城定秀夫の監督・脚本で実写化する、『ビリーバーズ』で映画初主演を務めることが明らかになった。
原作は、大胆な性描写と独特の演出で高い評価を得る山本が、その独創的な感性と世界観でカルトの世界に切り込んだ問題作。ニコニコ人生センターという宗教的な団体に所属し、互いを「オペレーター」「副議長」「議長」と呼ぶ3人の男女が、精神修行のため共同生活を送る孤島で、徐々に本能と欲望を暴き出しにしていく姿が描かれる。
磯村は、信仰心と抑えきれない欲望の間で揺れ動く主人公・オペレーター役で主演。「原作と脚本を読んだ時、自然とこの物語の世界を生きてみたいと感じました」という磯村は、欲望を捨て去り浄化を目指す難役に、食事制限で体を絞って挑んだ。
城定監督によると、磯村は、撮影前からの映画用プレハブに泊り込むなど、並々ならぬ情熱を傾けていたといい、「磯村さんの存在がなければこの映画は成立しませんでした」と感謝を述べている。副議長と議長役のキャストは後日発表される。磯村と城定監督のコメント全文は以下の通り。(編集部・入倉功一)
映画『ビリーバーズ』は7月よりテアトル新宿ほか全国順次公開
磯村勇斗
初主演の映画が「ビリーバーズ」で良かったと心から思います。
原作と脚本を読んだ時、自然とこの物語の世界を生きてみたいと感じました。
俗世間と、それに対して、可能な限り欲望を削ぎ落とし、信仰する力で安住の地を求める世界。
異様にも映るこちらの世界の方が純粋で、常識に囚われている世の中の方が異常なのかもしれない。
ビリーバーズで生きる人物たちは皆一生懸命です。だからこそ滑稽にも見えて笑えてくる。
信仰があり、エロスがあり、不気味だけどどこか哀愁があり。
人間の本能の先にあるものは何なのか。
混沌とした今の時代だからこそお届けしたい作品です。
城定秀夫監督
「オペレーター」という風変わりな役名でこの狂気の物語を力強く牽引するのが磯村勇斗さんです。食事制限で体を絞り、髪と髭を伸ばし、電気も水道もなく、虫は入るわ、雨漏りするわの安普請の劇用プレハブに撮影前から泊り込んで役作りをし、全身全霊で演じてくれた磯村さんの存在がなければこの映画は成立しませんでした。