浜辺美波、親友役で共演の岸井ゆきのに憧れ「感性がすてき」

　女優の岸井ゆきのと浜辺美波が20日、ユナイテッド・シネマ アクアシティお台場で行われた映画『やがて海へと届く』のプレミア試写会に来場。本作で親友役として共演した岸井に対する印象を聞かれた浜辺が「感性がすてき」と語った。この日は共演者の杉野遥亮、中川龍太郎監督も姿を見せた。

岸井ゆきの、浜辺美波、杉野遥亮が登壇！舞台あいさつの様子【写真】

　彩瀬まるの同名小説を映画化した本作は、突然消息を絶った親友・すみれ（浜辺）の不在を受け入れられずにいる真奈（岸井）が、親友が最後に旅した場所を訪れるさまを描き出すヒューマンドラマ。この日の登壇者たちは、海をイメージした青を取り入れた衣装で登場。映画上映後にステージに登壇した岸井は「今日はスクリーンで観てくださってありがとうございます」と、浜辺も「表現するのが難しい作品ですが、今日はいろいろとお話できたらと思います」とあいさつを行った。

　岸井と浜辺はかつて同じドラマに出演したことはあるものの、本格的な共演は今回が初めて。浜辺は「ドラマの時はあまりお話できなかったので、今回話してみて。感性がすてきだなと思って。感性がすてきだから、しぐさだったり表情に魅力あふれて。まわりの人にいとしさがあふれるような。そういう人柄だなと。とても素直に憧れを抱きました」と述懐。その言葉を受けた岸井は「照れるんですよ。こうやって言ってもらうと」と笑みを浮かべた。

　そんな二人が親友役を演じるにあたっては「親友だからこうとか、そういうのは特になかったですね。ナチュラルに」と振り返った岸井。浜辺も「一緒に座ってたときもあれば、待ってるときも、一緒にお話をすることもありましたけど、風を浴びながら、日差しを浴びながら、ボーッとしている時が多かった気がします」と自然に親友同士の雰囲気になったという。

　そんな本作について「私がいただいた台本とちょっと変わっていたんです」と明かす岸井は「だから初めて映画を観た時の興奮というか。ファーストカットから変わっていたので。これは編集が楽しかったんだろうなと、映画のマジックがあって。印象的な最後だったのですが、（完成した作品は）より印象的な描写になっていて。監督の愛情が伝わってきてうれしかったです」と振り返った。

　一方、杉野は「監督と作品に入る前にとても哲学的な話をしました。それが本当に楽しくて、一緒に物を作ることに対して完全に委ねることになりました」と語ると、「そういえばあったかも！」と何かを思いだした様子の浜辺。「何を話したか忘れてしまいましたし、今なら違う答えを言うと思いますが、どの瞬間にしあわせを感じるのかというようなことを問いかけられた記憶があります」と語ると、岸井が「なんで私には聞かないんですか？　生きていてしあわせかなんて、私にも聞いてくださいよ」とコメント。それに笑ってみせた中川監督は「（主人公は）自分の目線というか、分身みたいなものだから。話すことなくても、内容に宿っていますからね」と岸井に諭すように付け加えた。

　また、女性同士の友情について、浜辺は「嫉妬心を感じる人と感じない人がいますよね。女性同士で取り繕ってしまうことはあるかも。女性と会うときほど、お化粧を頑張ってしまったりとか。気の使い方とかが違ったりとか、弱い部分を見せすぎないようにするのは共感しました」、岸井は「気の使い方というのは、人によってかもしれませんね。気にしている部分は、男女というよりは、人によってという感じですが、ありますよね」と語った。

　そんな二人のキャスティングについて質問された中川監督は「岸井さんはとれたての野菜みたいなフレッシュさがあって。そういうみずみずしさ、生命力があるなと思った。そんな岸井さんに対して、浜辺さんは透明な存在感がある。だけどその中に、わがままで力強いイメージがある。それはもちろんいい意味でなんですが。そして（杉野ふんする）遠野というのはある種のナルシシスト。自分のことを気にするところがあって、これも悪い意味ではなくて、杉野さんと話してても本当に聡明（そうめい）な人だなと思ったので、この役に合うかなと思ってお願いしました」とそれぞれの個性について明かした。（取材・文：壬生智裕）

映画『やがて海へと届く』は4月1日より全国公開