作品賞は『コーダ あいのうた』!配信系初の快挙
第94回アカデミー賞
第94回アカデミー賞授賞式が28日(現地時間27日)、米ロサンゼルスのドルビー・シアターで行われ、シアン・ヘダー監督の映画『コーダ あいのうた』が作品賞を受賞した。本作の米配給は Apple TV+ であり、NetflixやAmazonに先んじて配信系として初めてオスカー作品賞受賞を果たした。
『コーダ あいのうた』は、耳の不自由な家族の中で唯一耳が聞こえる少女が歌の才能を認められたことをきっかけに、夢と現実のはざまで葛藤する姿を描いたドラマ。フランス映画『エール!』のリメイクで、コーダ(CODA)とは「child of deaf adults(ろう者の両親の子供)」という意味。Appleは、サンダンス映画祭において史上最高額となる2,500万ドル(約28億7500万円・1ドル115円計算)で同作の配給権を獲得していた。
ステージには、シアン・ヘダー監督、エウヘニオ・デルベス、マーリー・マトリン、トロイ・コッツァー、エミリア・ジョーンズ、ダニエル・デュラント、エイミー・フォーサイス、フィリップ・ルスレ(製作)、ファブリス・ジャンフェルミ(製作)が登壇。チームを代表して「アカデミーに感謝します。私たちの『コーダ』が歴史を刻むことができました」と語ったフィリップは、キャスト陣に向けて「素晴らしいキャストの皆さんは、スクリーンのなかだけではなく、外でも、誰もがその一員なることを望み、決して離れたがらない、素晴らしい家族を作ってくれました」と感謝を述べた。
『コーダ あいのうた』は作品賞、助演男優賞(トロイ・コッツァー)、脚色賞とノミネートされた3部門全てで受賞している。
最多受賞はドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の『DUNE/デューン 砂の惑星』で、撮影賞、美術賞、音響賞、編集賞、視覚効果賞、作曲賞の6部門を制した。
作品賞、監督賞、脚色賞、国際長編映画賞の4部門にノミネートされていた日本映画『ドライブ・マイ・カー』は見事、国際長編映画賞に輝いている。(編集部・市川遥)
第94回アカデミー賞全結果は以下の通り。
■作品賞
『コーダ あいのうた』
■監督賞
ジェーン・カンピオン 『パワー・オブ・ザ・ドッグ』
■主演女優賞
ジェシカ・チャステイン 『タミー・フェイの瞳』
■助演男優賞
トロイ・コッツァー 『コーダ あいのうた』
■助演女優賞
アリアナ・デボーズ 『ウエスト・サイド・ストーリー』
■長編アニメ映画賞
『ミラベルと魔法だらけの家』
■短編アニメ映画賞
『ザ・ウインドシールド・ワイパー(原題) / The Windshield Wiper』
■脚色賞
シアン・ヘダー 『コーダ あいのうた』
■撮影賞
グレイグ・フレイザー 『DUNE/デューン 砂の惑星』
■美術賞
『DUNE/デューン 砂の惑星』
■音響賞
『DUNE/デューン 砂の惑星』
■編集賞
ジョー・ウォーカー 『DUNE/デューン 砂の惑星』
■視覚効果賞
『DUNE/デューン 砂の惑星』
■歌曲賞
「No Time To Die」『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』
■作曲賞
ハンス・ジマー 『DUNE/デューン 砂の惑星』
■衣装デザイン賞
ジェニー・ビーヴァン 『クルエラ』
■メイク・ヘアスタイリング賞
『タミー・フェイの瞳』
■国際長編映画賞
『ドライブ・マイ・カー』(日本)
■短編実写映画賞
『ザ・ロング・グッバイ(原題) / The Long Goodbye』
■長編ドキュメンタリー賞
『サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)』
■短編ドキュメンタリー賞
『ザ・クイーン・オブ・バスケットボール(原題) / The Queen of Basketball』
(※日本語のリストを転載する際は編集部までご連絡ください)
第94回アカデミー賞授賞式は、3月28日(月)午前7時30分よりWOWOWプライム、WOWOWオンデマンドにて放送・配信中(午後10時より字幕版放送・配信)