西島秀俊「とても幸せです」オスカー受賞『ドライブ・マイ・カー』チーム喜びの会見
現地時間27日(日本時間28日)、米ロサンゼルスのドルビー・シアターで行われた第94回アカデミー賞の授賞式後に、日本映画として『おくりびと』以来13年ぶりの国際長編映画賞(旧・外国語映画賞)に輝いた、『ドライブ・マイ・カー』の会見がLA市内で行われた。会見には、主演の西島秀俊、岡田将生、霧島れいか、そして濱口竜介監督の4名が出席し、それぞれが受賞の瞬間を振り返りながら、初めてのオスカー体験を語った。
受賞が決まった瞬間について、西島は「濱口監督のこの凄い才能がもっともっと世界に広まってほしいなぁと、いち映画ファンとして思っているので、濱口監督おめでとうございます! といった気持ちでいっぱいでした」と明かし、「本当に嬉しいです。この作品を観たたくさんの方に、素晴らしかったと言っていただいて、あらためてこの作品が国とか言葉を越えて、皆さんの心に深く響いたんだなと、会場ですごく感じました。とても幸せです」と喜びを語る。
岡田も「素直に本当に嬉しくて。あの場にいられたことが、良かったなと思いました。『ドライブ・マイ・カー』とタイトルが呼ばれた瞬間、みんなで立ち上がって、抱きしめ合ったあの時は、一生忘れない出来事になるのだろうと思っています」と受賞時の喜びを振り返ると、霧島も同様に「素直に、心から嬉しい気持ちでいっぱいです。たくさんの方におめでとうと言っていただいて、どれだけたくさんの方の心に届いたのかを実感できて、本当に嬉しいです」と喜びをかみしめていた。
ステージでオスカー像を受け取った濱口監督は、受賞時の心境を「まさか、オスカーの受賞式で呼ばれることがあるのか? まじか? といった感じで立ち上がりました」と明かし、「嬉しいです」と一言。さらに、「ノミネートされるだけでも凄いことだと思っていて、受賞できるとは思っていなかった。本当に有り難いことだと思っています」と率直に喜びを語った。
実際に手にしたオスカー像について、濱口監督は「重いと思いました。(『パラサイト 半地下の家族』の)ポン・ジュノ監督が2年前に取った時、片手で軽々と持たれていたので意外と軽いのかなと思っていたら、凄く重くてびっくりしました」と笑顔。受賞後、ベネディクト・カンバーバッチやスティーヴン・スピルバーグ監督から声をかけられたといい「みんなでエレベーターを待っている時、スピルバーグ監督に、“おめでとう、その映画にふさわしい賞”だと言っていただきました。本当に凄い日でした」と夢のような瞬間を振り返った。
『ドライブ・マイ・カー』の受賞が、今後の日本映画にポジティブな影響をもたらすことを期待したい。今夜、濱口監督は、日本を代表するだけでなく、世界中の映画ファンが次回作を最も楽しみに待つ映画作家の一人になったと言えるだろう。(取材・文・写真:細谷佳史 / Yoshifumi Hosoya)