アンセル・エルゴート、渡辺謙への愛が爆発「インセプション観て感動しました」
来日中のアンセル・エルゴートが6日、都内で行われたドラマ「TOKYO VICE」の記者会見に出席し、共演者の渡辺謙を「レジェンドです」と表現するなど、大先輩である渡辺への愛を爆発させた。この日は、菊地凛子、伊藤英明、笠松将、山下智久も登場した。
【動画】「TOKYO VICE」記者会見の様子(トークノーカット)
WOWOWと HBO max が共同制作する本作は、『ヒート』などの巨匠マイケル・マン監督がオール日本ロケを敢行し、東京の闇社会を描いた全8話のドラマシリーズ。アンセルは日本の大手新聞社に就職したアメリカ人青年・ジェイク、渡辺はジェイクと組む敏腕刑事・片桐を演じた。
「オハヨウゴザイマス! ヨロシクオネガイシマス」と元気にあいさつしたアンセルは、本作の概要やキャラクターなどを日本語で説明すると、その後も流ちょうな日本語で対応。「渡辺謙さんはレジェンドですよね。一緒に仕事ができて、とても光栄です」と喜びつつ、『インセプション』『硫黄島からの手紙』などを観て感動したことを伝えると、渡辺は「この作品の話をしろよ」とツッコミ。それでも話を止めないアンセルは、菊地を「感情をリアルに自由に表現します」と称賛し、「謙さんの演技は完璧ですが、僕は凛子さんの方が好きです」とボケを披露して会場の笑いをさらった。
伊藤と温泉で裸の付き合いをしたり、家族で食事したことも打ち明けたアンセルは、「たくさんの思い出ができました」とニッコリ。「コロナ禍の撮影で、家族や友達を連れてくることはできなかったけど、ここにいるキャストが自分の家族になった気がします。日本文化はもともと興味があったけど、ここで過ごすうちに大好きになりました。東京は第二の故郷と感じています」と日本人キャストへの感謝を伝えた。
日本語でのセリフは、「毎日4時間、時々6時間勉強しました。日本に住んでから、毎日日本人と話しました」と振り返るアンセルは、私立探偵を仲介し、実際にインタビューする訓練もしたという。「街行く人にインタビューして記事を作る訓練もしたけど、なかなか応えてくれず、私立探偵に『それじゃダメだ。なんでもいいからとってこい』と言われて、なんとか記事を書いた」と苦労を吐露すると、完成した作品について「ここにいるキャストと仕事ができたこと、日本で過ごしたことは本当に素晴らしい体験になりました。今までにない見方で東京を見られると思います。ぜひご覧になってください」とアピールした。
渡辺は、マン監督がセットに入ってから急遽衣装や小道具を変えることがあったことを明かす。「スタッフは大変だったと思います。でも僕たちは、セットの中にあるものが真実だと信じさせてくれたので、すごく居心地はよかったです」と感動する一方で、「僕は1話ではあまり多くのシーンがなく、マイケル・マンとやり合うことが数多くなかったのが心残りです」と悔しさもにじませた。
エグゼクティブ・プロデューサーも兼任した渡辺は、英語の脚本を読み、各キャラクターに合うように日本語チェックを担当したそうで、「夜中3時くらいにメールが来て、明日までに返してください」と大変な要望にも応えていたと振り返る。また、日本では撮影の許可を取ることが難しいことから、「映画やドラマの撮影が大事な文化だと行政にもご理解いただいて、できるだけハードルを下げていただく。僕らもルールをちゃんと守る」と訴え、「この作品が次のハードルを下げてくれる要因になればうれしい」と期待を寄せた。(錦怜那)
「TOKYO VICE」(全8話)は4月7日午後6時よりWOWOWオンデマンドにて日米同時配信スタート、4月24日よりWOWOW独占放送