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「オッドタクシー」なぜ声優に芸人を起用?日常の混沌にも似た多彩なキャスティング秘話

『映画 オッドタクシー イン・ザ・ウッズ』が4月1日より全国公開
『映画 オッドタクシー イン・ザ・ウッズ』が4月1日より全国公開 - (C) P.I.C.S./映画小戸川交通パートナーズ

 テレビアニメ「オッドタクシー」を映画化する『映画 オッドタクシー イン・ザ・ウッズ』が4月1日より全国公開。本作では芸人をはじめとするプロの声優ではないキャストたちがキャラクターに声をあてている。その試みに込めた狙いを企画プロデュース担当の平賀大介が明かした。

【動画】キャラボイスで名台詞も!『映画 オッドタクシー イン・ザ・ウッズ』座談会

 2021年4月より放送された「オッドタクシー」は、タクシードライバーの小戸川を主人公とする群像劇を描いたアニメーション。映画ではアニメテレビから引き続いて監督・キャラクターデザインを木下麦が務め、漫画「セトウツミ」の原作や映画『ブラック校則』の脚本で知られる此元和津也がシナリオを担当。テレビアニメのエピソードを再構成した新たなストーリーが展開していくなかで、最終回のその後も描かれていく。

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 「オッドタクシー」は、キャラクターの可愛らしいビジュアルを裏切るような、それぞれの思惑が複雑に絡み合った本格的なミステリー・サスペンスが展開。1話から緻密に伏線が張りめぐらされていき、最終回の放送後にはTwitterトレンド入りを果たすなど、その完成度の高さが大きな話題を呼んだ。第25回文化庁メディア芸術祭ではアニメーション部門新人賞を受賞している。

 そんな本作の大きな特徴は、声優キャストの多彩ぶりだ。花江夏樹飯田里穂木村良平山口勝平といった人気声優陣に加えて、ミキ昴生亜生)やダイアンユースケ津田篤宏)といったお笑い芸人、ラッパーのMETEORも名を連ねている。平賀は「『オッドタクシー』は、我々の日常と同じような、ゴチャゴチャした雰囲気が作品の魅力になっていると思います。相手が話し終わる前に話し出すせっかちな人がいたり、異常に声が大きかったり、そんな引っ掛かりも含めて楽しんでもらえる作品だと思います。様々な業界から出演いただいたことで、音楽好き、お笑い好き、映画好きの人たちに知ってもらうきっかけになったと思います」と手応えを語る。

 関西出身の中堅漫才コンビ「ホモサピエンス」に声をあてているのが、本格的なアニメ声優は初挑戦だったダイアン。平賀は「ホモサピエンスは、本物の芸人の方にやってほしいというのは、此元さんや監督はじめ、スタッフの総意でした」という。「アニメファンだけではなく、お笑い好きの人たちにも響く内容だと思っていたので、その人たちへ作品を届けるためにも、お笑い芸人の方たちにも参加してもらいたいと思い、お声がけしました」

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 さながら実際のダイアンのような雰囲気もあるホモサピエンスだが、平賀は「ダイアンの二人が演じたホモサピエンスは、ラジオ番組のパーソナリティーとして登場するのですが、ラジオから流れる二人の会話と夜の街を走る小戸川のタクシーが絶妙にマッチしていて、それが何気に作品の大きな魅力になっていると思います。アニメを見た後、(ラジオ番組の)『ダイアンのTOKYOSTYLE』を聞くと、ホモサピエンスのラジオに聞こえるという現象が起きています」と語る。

 そして、ミーアキャットの一卵性双生児で、警察官の大門兄弟をミキが演じている。弟の亜生は2019年のディズニー映画『ライオン・キング』にも声優参加するなどの経験の持ち主。ドラマへの出演も重ねているが、平賀は「亜生さんが参加した別作品をみんなで見て、大門弟の正直すぎて、真っ直ぐなイメージにピッタリ! となって参加をお願いしました。無邪気に見えて、実は頭いいんじゃないか? みたいな微妙なニュアンスまで上手く表現いただいて、魅力的なキャラクターになったと思います。最終話の大門兄とのやりとりは、実の兄弟ならではのシーンとなり、物語のクライマックスを盛り上げる見せ場になりました」。さらに「昴生さんは、大門兄が標準語なので、その点に苦労されていました。プレスコの収録時間が長引くという制作への影響が出ました(笑)」という裏話も。

 ほかにもガーリィレコードたかしトレンディエンジェル)、村上知子森三中)、俳優の高杉真宙なども声の出演を果たしている。こうした多様な顔ぶれは、物語世界の混沌とした雰囲気ともマッチしており、それぞれの素顔を思い浮かべながら鑑賞すれば、作品をさらに楽しむことができるはずだ。(編集部・大内啓輔)

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