吉岡里帆・中村倫也・尾野真千子、告白合戦で和気あいあい
14日、映画『ハケンアニメ!』完成披露試写会が丸の内TOEIで行われ、吉岡里帆、中村倫也、尾野真千子、原作者の辻村深月、吉野耕平監督が出席。キャスト陣が互いに「好きです」と告白し合い、会場を笑いに包むひと幕があった。
アニメ制作の舞台裏を描いた辻村の同名小説を映画化した本作は、期待の新人監督・斎藤瞳(吉岡)と、崖っぷち状態の天才監督・王子千晴(中村)が、ハケン=覇権を目指して火花を散らす熱きドラマ。映画上映前にステージに立った吉岡は「自信作です! 必ず皆さんに刺さるんじゃないかなと思い、丁寧に撮ってきました」と宣言する。
一方、天才アニメ監督役に挑んだ中村は、吉野監督との縁を振り返り「そもそもこの役は、前の映画(『水曜日が消えた』)でご一緒していた時の終わりかけに、次は中村さんにピッタリの役があるので、オファーしていいですかと言われたものだったんです」と告白。そこで原作小説を読み「(千晴が)めちゃくちゃかっこいいヤツじゃんと思って。仕事に対するスタンスとか、スポーツマンシップのような、シンプルで筋道が通っているところに僕もすごく共感した」と明かす。
そこで中村が「どこが僕にピッタリだったのか監督に聞いてなくて。今、教えてほしいなと思いました」と質問すると、吉野監督は「カメラが回っていない時は、だいたいこんな(ひょうひょうとした)感じ。それが好きだなと思って。いいんじゃないかと」と説明。それを聞いた吉岡の「告白!?」という突っ込みに、中村も「キュンとしました」と笑いながら付け加え、会場を沸かせた。
また、千晴と組むプロデューサー・有科香屋子役の尾野が「似ているところがあるのかな。香屋子というのは熱い人間なんですよ」と語ると、吉岡が「包容力があるんですよね。尾野さんには愛があります。好きです」と返し、尾野も「やめなさいよ、アンタ」と照れ笑い。次々と続く告白に、「今日はなんだろうね」と笑ってみせた中村が、「オノマチさん(尾野)も気さくな方で、絶大なる信頼と安心感があって。この現場はマチコ姉に甘えようと思っていました……本音です。好きです」と続き、会場は笑いに包まれた。
さらに「(中村)倫也くんはフワッとしていて変わらない。優しいオーラの持ち主だというのは前から感じていたので。今回も、ずっと優しいんです。わたしがどれだけいじっても、フフッと笑ってくれる」と語る尾野に、中村は「普段、イジられる側にまわることはないんです。(イジられるのは)あなただけです」と告白。共演者同士の仲の良さに、会場は温かな雰囲気に包まれていた。
「クランクイン前は緊張していて、柄本(佑)さんも怒ったら怖そうだなという畏怖の念があったんですが、3人とも3枚目で驚愕(きょうがく)しました。ずっと面白いことを言っていて、すごい楽しい現場。最高です!」と笑顔で付け加えた吉岡。原作者の辻村も本作の出来に満足しているようで、「わたしは本当にしあわせです」と笑顔を見せると、「プロデューサーから、キャスティングの希望はありますかと言われたので、かなうかどうかわかりませんが、王子を中村さんが演じてくれたらと思っていたので、決まった時はヤッターと叫びました。ありがとうございます」と明かすなど、登壇者たちそれぞれに謝辞を送っていた。
その言葉に「本当に感謝しかないです」と返した吉岡は、「瞳を演じて、みんなで1本の映画を作るということと、本編でのアニメを作るという思いが重なって。この作品を映画館で観ていただけるというしあわせを感じたし、好きなことならどんな状況でも頑張れるというのを辻村さんの作品からいただいたので、これからの人生でもお守りになる作品だなと思いました」と晴れやかな表情を見せた。(取材・文:壬生智裕)
映画『ハケンアニメ!』は5月20日より全国公開