AKB48武藤十夢、広島の被爆ピアノ描く映画で「皆で平和を考えていきたい」
AKB48の武藤十夢が、沖縄で4月16日、17日の2日間にわたって開催されている「島ぜんぶでおーきな祭 第14回沖縄国際映画祭」で特別上映された映画『おかあさんの被爆ピアノ』の舞台あいさつに登壇した。
本作は、昭和20年8月6日、広島に原子爆弾が投下され奇跡的に焼け残ったピアノを修理し、全国をまわりながらコンサートを続ける調律師・矢川光則さんの実話を映画化。『ほうきに願いを』『美しすぎる議員』などの五藤利弘監督がメガホンをとった。佐野史郎が矢川さんをモデルにした主人公に、武藤は母が寄付した被爆ピアノを通して広島、祖母のことを知るうちに自身のルーツを探すことになるヒロインを演じている。
那覇市・桜坂劇場で行われた舞台あいさつに登壇した武藤は、「被爆ピアノのことも、被爆2世、3世の存在もあまり知りませんでした。でもこの物語の中で広島のことを知っていく役柄だったので、同じように学んでいくことができました。撮影前に広島平和記念資料館を訪れたのですが、手紙や焼け残った三輪車を目の当たりにして、本当に身の引き締まる思いがしました」と話した。
舞台あいさつ後、個別取材に応じた武藤は「わたしの祖母や祖父は子どもの頃に戦争を経験していて、疎開の話などをいつも聞いていたんです。でも広島に行ったときに、原爆を生き延びた方々のお話を聞くと、一人一人がつらい経験をされていて、わたしたちが教科書で学んだ知識とは全く違いました。皆さんの経験をわたしたちは、絶対に忘れてはいけないと思いました」と、戦争への思いを改めて吐露した。
2020年8月に劇場公開されてから約2年を経た今、ロシアによるウクライナ軍事侵攻が続いているが、武藤は「撮影当時に聞いた戦争体験を思い出しながら、いま実際に同じ体験をしている方々がいらっしゃるかと思うととても胸が痛いです。今だからこそこの映画を観ていただき戦争について、平和について、若い人たちと一緒に考えていきたいと思っています」と訴えた。(取材・文:森田真帆)