『鉄男』『野火』塚本晋也監督、終戦直後を描く新作始動 スタッフ・キャスト募集
映画『野火』(2014)、『鉄男 TETSUO』(1989)などで世界的に評価される塚本晋也監督が、前作『斬、』(2018)から約4年ぶりとなる、新作映画の制作を始動すると発表した。現在、自身の公式サイトにて、新作に携わるスタッフと出演者を募集している。
『野火』で、第2次世界大戦末期のフィリピン・レイテ島を舞台に、極限状態に置かれた日本兵が体験する戦争の恐怖を映し出した塚本監督。続く『斬、』では、開国か否かで揺れ動く江戸時代末期を舞台に、人を斬ることに疑問を持つ侍を通して、生と暴力の本質に向き合った。新作は、この2本の流れを組んだ作品となり、終戦直後を生きる人々の姿が描かれる。
募集するスタッフは、制作、技術、美術、衣装の4部門。短い撮影となることから、経験があればありがたいものの、塚本監督は「通常の撮影方式と異なりますので、経験者未経験者不問とします」としている。撮影は7月半ばあたりから8月いっぱいの中から2~3週間ほどで、一部が9月にまわる可能性もある。
また出演者は、メインキャストの一人となる若い復員兵役を募集する。撮影は7月中盤から7月いっぱいまでの数日と、8月中盤か9月のいずれかもう1日を予定しているという。
応募締め切りは5月12日(木)で、スタッフ・キャストともに、顔写真(キャストは全身写真も)、協力可能(NG)な期間、希望する仕事、参加動機、連絡先(メールアドレス必須)などを添えて履歴書を送付。履歴書の送り先や、求める人材等の詳細は、塚本監督の公式サイトを確認。
新作について、塚本監督は「新作を始動します。小さな映画ですが、今の時代に投げかける大切な作品にしたいと思います」とコメント。スタッフ・キャストの募集に合わせて「スタッフは、一部大きな撮影がありますが、全体、少数精鋭で、静かに丁寧にものづくりのできる仲間を募集します。キャストの若い復員兵は、いわゆる軍人タイプの人でなく、柔らかな印象の方がありがたいです。多様な演技をお願いすることになります。どうぞ、よろしくお願いします」とメッセージを寄せている。(編集部・入倉功一)