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松村北斗が挑んだ百目鬼、なぜ難役? 濡れ髪ビジュアル秘話も

『ホリック xxxHOLiC』より松村北斗演じる百目鬼静
『ホリック xxxHOLiC』より松村北斗演じる百目鬼静 - (C) 2022映画「ホリック」製作委員会 (C) CLAMP・ShigatsuTsuitachi CO.,LTD./講談社

 クリエイター集団CLAMPのコミックを、『ヘルタースケルター』『Diner ダイナー』などの蜷川実花監督が実写映画化した『ホリック xxxHOLiC』(公開中)で、原作ファンの間でも絶大な人気を誇る百目鬼静(どうめき・しずか)を演じたアイドルグループ・SixTONES松村北斗。蜷川監督が「難役」だという百目鬼に、いかにして挑んだのか。その裏側を、蜷川監督が語った。

【写真】神木隆之介と「素敵なカップル」に!

 本作は、人の心の闇に潜む“アヤカシ”が視える能力に苦悩する高校生・四月一日君尋(わたぬき・きみひろ/神木隆之介)が、対価と引き換えにどんな願いもかなえるという“ミセ”の女主人・侑子(ゆうこ/柴咲コウ)と出会い、不思議な事件の数々に遭遇しながら成長していく物語。四月一日の同級生・百目鬼を演じるのが、俳優としても順調にキャリアを重ねる松村北斗。今年も連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」で上白石萌音演じるヒロインの夫を、放送中のドラマ「恋なんて、本気でやってどうするの?」で女性にモテモテの料理人を好演するなど、出演が相次いでいる。

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 蜷川監督と松村の出会いは、2019年11月に発売された蜷川がディレクションする雑誌「Mgirl(エムガール)」でSixTONESを撮影したときのこと。今年1月に発売された雑誌「AERA」の表紙・グラビアなどで松村単独の撮影もしている。そのころから「この子面白いなって、何か一緒に仕事をしてみたいなって思っていた」と言い、プロデューサーに百目鬼役に松村の起用を提案した。百目鬼は寺の息子で、クールかつ寡黙。弓の名手で、アヤカシを祓う力を持つ設定だ。蜷川監督いわく、百目鬼は難役。「しゃべらない役ってすごく難しい」と、松村への演出も細かく行った。

 「百目鬼の役って、ほんの少しの芝居でしか表現できないと思うんですよね。思った以上に何もできない。表情一つ、声色一つで百目鬼じゃなくなってしまう。周りが芸達者な俳優ばかりで細かいお芝居をされるから、もっと芝居をしている感覚もほしかったと思うんですけど、松村君には“とにかく体幹だけキープして、あとは何もしないでほしい”と。その調整はかなりしました。松村君はそのことにストレスを感じたでしょうし、不安だったとも思います。『こんな棒読みでいいの?』『こんなに何もしなくて大丈夫なの?』って。大変だったと思います」

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 一方、百目鬼が弓の名手である設定に合わせ、松村は当然のごとく肉体づくりを行ったという。「ビジュアル面では彼が髪を切りに行くときにも美容室についていって、美容師さんに『このぐらいの長さに』とお願いしました。体を鍛えて二の腕をきれいにしてくれて、そういう細かいディテールの積み重ねでしか表現できないキャラクターなので難しかったと思うけど、本当によくやってくださって、四月一日と素敵なカップルになっていましたね(笑)」

メイキングより蜷川実花監督

 百目鬼が寡黙なキャラクターゆえ、劇中の四月一日との会話はそっけないものだが、撮影現場では松村と神木のおしゃべりが絶えなかったそう。「2人はホントに仲が良くて。いつも触れ合っていないとダメなのかと思うぐらい近くにいました。あんなに仲良くなれる瞬間に立ち会えて、楽しかったし可愛かったです。みんなメロメロだったと思います。本番前までずっとくだらないことを喋っていて(笑)。トランプしたりね。その仲の良い感じが画にも出ていると思います」

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 なお、松村演じる百目鬼の濡れ髪のビジュアルが公開された際には大いに話題を呼んだが、もともとは宣伝用に撮影したものではなく、撮影現場で蜷川監督が撮影したもの。松村の鋭いまなざしや、妖艶な雰囲気も印象的だが、蜷川監督は撮影時をこう振り返る。

 「あの写真はクライマックスのシーンを撮っていた時に、私が特写として撮影したんです。芝居した直後に撮っているので、役になりきったままの松村君を写している。通常だと宣材の撮影には別のカメラマンの方を起用すると思うのですが、わたしの映画では撮影の流れの中で自分で撮っているので対象も役が途切れないうちに撮り終えるので、負担が少ないのではないかと思います。それは、写真家でもあるわたしの特権でしょうか」

 このビジュアルには、百目鬼のどんな感情が秘められているのか。答えはスクリーンで!(編集部・石井百合子)

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