川口春奈、念願の朝ドラ初出演に「本当に家族のような温かさを感じています」
4月11日から放送がスタートした連続テレビ小説「ちむどんどん」(月~土、NHK総合・午前8時~ほかにて放送、土曜は1週間の振り返り)。本作で、沖縄やんばる地域にあるサトウキビ農家の次女として生まれたヒロインの暢子(黒島結菜)の姉・良子を演じるのが、連続テレビ小説初出演の川口春奈だ。勉強ができて人一倍努力家の良子は、小さいころからの夢だった小学校の教師になる人物。川口はどんなアプローチ方法で役を立体化しているのだろうか?
川口が演じる良子は、4人兄妹の2番目で長女。しっかり者で正義感が強い性格で、とても騒がしい兄・賢秀(竜星涼)とは性格が正反対のため、いつも喧嘩が絶えない。川口は自身が演じるキャラクターとは「似ている部分を探す方が難しいくらい(笑)」と苦笑いを浮かべるも、「強さもありますが、その年ごろならではの悩みも抱えて、もがきながら生きているという部分は、人間味があふれるし、女性としても共感できる部分は多いです」という。
そんな川口にとって初となる連続テレビ小説の現場。「最初は出演者もすごく多く、どのように進んでいくのか分からない部分もあったので緊張していました」と明かす。だが、いざ撮影が始まると「撮る量も多く、てきぱきと進んでいくので、その流れに乗りながら、あまり気負うことなく臨めています」とここまでの撮影を振り返る。
出演発表を受けての反響についても「朝ドラに出演するという報道が出たとき、家族を含めて多くの方に声を掛けていただきました。とても幅広い方が朝ドラを観ていますし、この作品をきっかけに自分のことを知っていただける人もいると思うので、純粋にオンエアが楽しみです。こういうお仕事をしていて、朝ドラは一つの目標だったので、機会をいただけたことはすごく嬉しいです」と笑顔を見せる。
連続テレビ小説ならでは、という部分では「やっぱり撮影時間が長いので、それだけスタッフさんやキャストの方と一緒の時間も多い。本当に家族のような温かさを感じています。そこは3か月で終わる連続ドラマと大きく違うところ」と家族がテーマの物語だけに、一緒にいる時間が長ければ長いほど、映像に反映するのでは……という期待があるという。
「いまと時代は違いますが、すごく普遍的な家族の物語だなと感じました。登場人物一人一人、決してすごい人はいない。挑戦して失敗して……それを繰り返しながら成長していく姿ってすごく胸を打たれるというか。観ている人にポジティブな感情を与えられる作品だなと思います。私が演じる良子も『頑張れ!』と応援してもらえるような役柄だと思うので、しっかりまっとうしていきたい」
ヒロインの暢子を演じる黒島をはじめ、母の優子を演じる仲間由紀恵は沖縄出身。一方で、川口は長崎県の出身ということもあり、言葉の部分で難しさもあるという。「初めて聞く言葉も多く、イントネーションもなかなかつかめないんです。同じ九州地方とくくられるかもしれませんが、外国語と思うぐらい違う。でもそこが面白かったりもするので」と」と苦戦しつつも前向きに取り組んでいるという。
黒島とは今回が初共演。川口は黒島について「本当にしっかりして、頑張り屋さん。大変なスケジュールのなか、泣き言一つ言わずに、明るく元気に頑張っている彼女の姿を見ると、自分も頑張らないと……とエンジンが掛かります」と目を細める。物語上では川口が姉という関係性だが「実際の家族では、結菜ちゃんはお姉さんで、私は末っ子なので、お姉さんみたいに感じることもあるんです」と感じることもあるようだ。
「なんでも言いやすい環境を作ってくださるので、とても自然体でいられます」と語っていた川口。現在、絶賛撮影中だが「人物の長い期間を描くというのは、あまり経験できないこと。撮影量を含めて、いままで体験したことないことばかりなので、終わったときにしっかりと成長できていたらいいなと思っています」と未来に思いを馳せていた。(取材・文:磯部正和)