古川琴音、NHK特集ドラマ「アイドル」で主演!山崎育三郎、正門良規らが共演
古川琴音が主演を務める特集ドラマ「アイドル」が、NHK総合テレビにて8月11日よる7時30分~8時43分に放送されることが決定した。共演には、山崎育三郎、愛希れいか、正門良規(Aぇ! group/関西ジャニーズJr.)、田村芽実、椎名桔平が名を連ねる。
古川琴音、山崎育三郎、正門良規ら「アイドル」出演者たち【写真】
“戦時下のエンターテインメント”をテーマにする本作は、実在した登場人物や劇場をベースとするオリジナル作品。昭和初期から終戦間際まで、戦時下の日本で、1日も休むことなく営業を続けた劇場「ムーランルージュ・新宿座」を舞台に、明日待子(古川)という一人のアイドルの青春を描く。
昭和11年、岩手から上京した小野寺とし子(古川)は、スターになるため新宿の劇場・ムーランルージュのオーディションを受ける。その場で支配人兼プロデューサーの佐々木千里(椎名)や劇場の看板女優・高輪芳子(愛希)の目に留まり、座員として劇場で働き始める。下積み生活を続けるとし子は、あることをきっかけにステージのセンターに立ち、歌い踊ることになる。
半年後、とし子は名前を明日待子に変え、同僚の小柳ナナ子(田村)らと共に若手グループを結成し、圧倒的人気を誇ることに。大勢のファンが詰めかけ、劇場は連日満員御礼となった。その一方、日本は戦争へ突き進み、その影響はムーランルージュにも及ぶ。劇場のシンボルだった赤い風車が取り外され、看板俳優の山口正太郎(山崎)も出征し、やがて待子も戦地のファンの期待に応えようと、戦争に協力していくことになる。
主演の古川は、「戦争と共に生きた、まっちゃん。どんな時代だったとしても、ファンが明日を楽しみに待てるような、そんな希望を与え続けた、まっちゃんの煌めきを届けられたらと思います。とにかく、懸命に歌って踊って、演じました」と語っている。
また、青年兵士に襲われそうになった待子を助け、待子の姿に魅せられていく青年・須貝富安役を正門が担う。正門は、「令和を生きる僕たちと、作品を通してみた昭和を生きる人々は、時代は違っても、変わらず目の前にある時間を生きていたのだなと感じました。今だからこそ、皆さんに観ていただきたい物語です。アイドルとしてこの作品に関われたことが本当に幸せです。ぜひ、放送をご覧になってください」とコメントを寄せている。(編集部・梅山富美子)
特集ドラマ「アイドル」はNHK総合にて8月11日よる7時30分~8時43分放送
BSプレミアム(BS4K同時)にて8月29日よる9時~10時29分
作者・八津弘幸コメント
戦時下に多くのファンを励まし愛されたアイドルの物語……最初にこの企画で声をかけていただいたとき、面白そうだなと思うのと同時に、うまく書けるだろうかという不安が過ぎりました。というのも、朝ドラ「おちょやん」を執筆したときに、戦時下における娯楽を描くことの難しさを嫌というほど味わったからです。明日待子らアイドルたちも、ムーランルージュという劇場も、そこに押しかけるファンたちも間違いなく実在し、自分の“推し”の名前を叫び、一緒に歌って踊っていました。その光景は今と何も変わりません。そんな彼女、彼たちが、戦争によって何を奪われ、何を願っていたのかと向き合うことは、奇しくもコロナ禍に不要不急が叫ばれる現在、娯楽はどこまで必要なのか、僕たち自身に突きつけられた問題とも向き合うことでした。そして試行錯誤を繰り返し、答えを模索して、どうにか本を完成させた矢先、ロシアによるウクライナ侵攻が勃発しました。実際にその悲惨な現実を目の当たりにして、正直、僕は今わからなくなっています。終戦ドラマにありがちな、重く暗い作品にはしたくない、などと言っていた自分は、浅はかだったのではないか。ふと気づけば、これこそまさに当時の登場人物たちが抱えていた葛藤と、同じなのかもしれません。それでもアイドル・明日待子のように、観てくださった皆さんが元気になれるように、前を向けるようにという思いで書いたことも、また同じです。この作品が少しでも明るい明日につながる、皆さんの“推し”となってくれたら嬉しいです。
演出:鈴木航ディレクターコメント
2018年の暮れ、私が札幌でお会いした98歳の明日待子さんは、あの戦争の時代に多くのファンを熱狂させたという、トップアイドルの輝きをまとっていました。“苦しい時代だったけど、私の青春でした”待子さんのこの言葉から、特集ドラマ「アイドル」は出発しました。あの頃の日本にも、今の私たちと変わらないアイドルがいて、ファンがいて、不要不急と言われながらエンターテインメントを守り続けた人々がいました。“戦争”は、その日常から地続きにあったのです。戦時下の時代に輝いた女の子の青春の日々を、めくるめくショーとともに描きます。ぜひ、ご期待ください。