『ジュラシック・ワールド』マルコム役はこれが最後 ジェフ・ゴールドブラム、29年寄り添ったキャラクターへの別れ
映画『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』(7月29日公開)でイアン・マルコム博士を演じたジェフ・ゴールドブラムがリモートインタビューに応じ、『ジュラシック・パーク』1作目(1993)から29年にわたって演じてきたキャラクターへの感謝と別れを語った。
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『ジュラシック・パーク』1作目でアラン・グラント博士(サム・ニール)、エリー・サトラー博士(ローラ・ダーン)と共にイスラ・ヌブラル島へと上陸したマルコムは、カオス理論を提唱する数学者。続編『ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク』では主人公として活躍し、新シリーズ第2弾『ジュラシック・ワールド/炎の王国』では、島で危機に瀕した恐竜の運命は自然に委ねるべきだと主張し、彼らが人間社会に解き放たれると「ようこそ、ジュラシック・ワールドへ」と彼らしい皮肉たっぷりの言葉を放った。
完結編で監督に復帰したコリン・トレヴォロウとは、米スーパーボウル用のCMでタッグを組んでいたジェフ。作品を撮り終えたところで「『ジュラシック・ワールド』をもう一本作る。そこに君の出番も用意している」と電話をもらったそうで、「最新作の内容について聞いてみると、彼はオリジナルキャラクターの復活を望んでいた。歴代キャスト総集結で物語を作ると聞いた瞬間、興味が湧いてきて、脚本を読むことが待ちきれないくらいだった」と続投に乗り気だった。
サムとジェフはマーベル映画『マイティ・ソー バトルロイヤル』に出演しており、共演シーンこそなかったが、撮影期間中は上手く連絡を取り合っていたという。また、ローラとはカルバン・クラインのファッションショーで偶然再会したそうで、「(ローラの)息子がランウェイを歩いていたんだ。その時はまだ映画の話は出ていなかったが、久しぶりに話したよ」と懐かしそうに当時を振り返る。
1作目公開後、三人はそれぞれシリーズに何度か登場しているが、全員が揃うのは実に29年ぶり。撮影初日は、グラント、エリー、マルコムの三人がジープに乗るシーンから始まったとジェフは明かす。「ネタバレになるので詳しくは話せないが、三人はトラブルに巻き込まれるんだ。アドリブも入れたりして、とても楽しい一時だった。サムとローラとの共演は、1作目当時の記憶が蘇ってきて、とても貴重な体験だったね」
『ジュラシック・パーク』『ジュラシック・ワールド』両シリーズのキャラクターが集結して迎えるシリーズの完結。「本作の構造は、全6作品の脅威やキャラクター全ての物語に決着を着け、終わらせているように思える」と語るジェフは「おそらく、私にとってもこれが最後となるだろう」とマルコムとの別れを覚悟していた。「恐竜たちとの冒険はこれからも続くだろうし、誰かがその続きを描くかもしれない。少なくとも、私は本作のエンディングには非常に満足しているし、マルコムを演じ切れたことで、すごく晴れやかな気持ちなんだ」
マルコムを演じる機会を与えてくれた、『ジュラシック・パーク』シリーズ生みの親スティーヴン・スピルバーグとの出会いは「人生のハイライトだ」と断言したジェフ。「彼が生み出した作品やキャラクターはとても魅力的で、続編でも一緒に仕事ができたことは忘れられない体験だったし、私のキャリアの方向性を定め、より深いレベルへと導いてくれた。マルコムに出会っていなければ、私の役者人生はまた違ったものになっていたかもしれない。マルコムに出会えてとても幸運だった」(取材・文:編集部・倉本拓弥)