吉沢亮、月9初主演!大河以来の連ドラで北海道の小児科医に
10月期に放送されるフジテレビの新ドラマ「PICU 小児集中治療室」(仮)で吉沢亮が主演を務めることが明らかになった。月9ドラマには初出演にして初主演となる。
「PICU」とは「Pediatric Intensive Care Unit」の略称で小児専門の集中治療室のこと。高度かつ集中した治療が必要とされるおよそ15歳以下の子どもを対象にした、いわば「子どものためのICU」ともいうべきもので、PICUでは小児集中治療を専門とする医師や看護師が各専門分野の医療スタッフと連携し、搬送のタイムリミットと闘いながら、重篤な子どもの尊い命を救うために命懸けで治療に当たっている。日本は先進国でありながらも小児死亡率の高さが深刻な課題とされる。
吉沢ふんする主人公の志子田武四郎(しこた・たけしろう)は、北海道で生まれ育った27歳の小児科医。幼い頃に父を亡くしており、女手一つで育ててくれた母の南(みなみ)と二人暮らしをしている。母思いで料理上手、家事全般もそつなくこなす優しい青年だが、大事な場面で不器用さを発揮することもある。武四郎は勤務先の病院に新設されたPICUに異動することになり、そこで小児集中治療のパイオニア植野元(うえの・はじめ)と出会い、小児科医人生が大きく変わっていく。
舞台となる北海道は雄大な自然を誇る一方、広大すぎるがゆえに搬送までに長時間を要することも少なくなく、刻一刻を争う急患の子どもたちにとっては残酷な土地でもある。今回のドラマでは、大規模なPICUの運営は極めて困難だとされてきた北海道で、駆け出しの小児科医が先輩医師と共に、どんな子どもでも受け入れられるPICUを作るため、1秒でも早くPICUに搬送できる医療用ジェット機の運用を可能にするために奔走する姿を描く。
昨年、NHKの大河ドラマ「青天を衝け」では主人公の渋沢栄一を演じた吉沢。大河ドラマ以来の連ドラ主演作にして、自身初の医師役となる。「命とどう向き合うか。人の死から何を学ぶのか。そんなシンプルでありとても深い、普遍的なテーマになんの小細工もなく真っ正面から向き合う作品になると思います。人の命を救うのは神様でもスーパーマンでもない。救う側の人間としての未熟さ、葛藤などを丁寧に描ければ。個人的に子供の頃から、“野球と言えばイチロー”、“ドラマと言えば月9”ってくらいお馴染(なじ)み感があるものだと勝手に思ってましたので、その主演をやらせて頂けるっていうのはもう。ありがとうございます。よろしくお願いします」とコメントを寄せている。
脚本を手がけるのは「アライブ がん専門医のカルテ」(2020)で第9回市川森一脚本賞を受賞した倉光泰子。演出は「監察医 朝顔」シリーズの平野眞が務める。なお、クランクインは9月上旬の予定となっている。(編集部・大内啓輔)
医療監修・浮山越史(杏林大学医学部教授、日本小児外科学会理事、日本小児救急医学会理事)
2018年、医療監修で携わらせていただいた小児外科医のドラマ「グッド・ドクター」は私にとってもすごく大切な作品でした。一方、小児救急は大切だけれど全国的に見ると不十分なところがあるのも事実です。このドラマを通じて認知度が上がって、小児救急・PICUが日本中に広まり、全ての子どもたちが医療の恩恵を受けられるよう期待しています。
プロデュース・金城綾香(フジテレビドラマ・映画制作センター)
“PICUをドラマにしてみてはどうか”と、2018年に「グッド・ドクター」で医療監修を担当してくださった杏林大学病院の浮山先生からお声がけいただいたことが、本作のきっかけでした。私自身不勉強でPICUという存在を知りませんでしたし、お話を伺えば伺うほど、ドラマとして描きたいという思いが強くなっていきました。そして、その仕事に新鮮な気持ちで取り組んでいく若き医師は、吉沢亮さんに演じていただきたいと強く思いました。吉沢さんの眼差(まなざ)しは力強く、そして堪(こら)えるような繊細なお芝居は稀有(けう)なものだと思います。本作において、主人公を演じて頂けるのは吉沢さんをおいて他にいないと思いましたし、制作陣は吉沢さんをイメージして志子田武四郎を作り上げました。小さな命の灯火(ともしび)をどうにか絶やさないように人生を懸けて力を尽くされている先生方の姿を通して、生活の温かさや命の大切さを少しでも表現していきたいと思います。