話題の「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌」のパク・ウンビンって?
Netflixで配信され話題の韓国ドラマ「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌」。NetflixのグローバルTOP10(テレビ・非英語部門)で1位を記録し、ヒロインを演じるパク・ウンビンの人気も世界中で爆上がり中だ。そんな彼女のこれまでを振り返ってみた。
1992年9月4日生まれのパク・ウンビンは、1996年に子供服のモデルとしてデビューし、1998年にイ・ビョンホン主演のドラマ「白夜」で子役デビューした。ヨン様ことペ・ヨンジュン主演で日本でも人気を博した「太王四神記」(2007)のほか「善徳女王」(2009)、「階伯〔ケベク〕」(2011)といった時代劇や、「復活」(2005)、「ロビイスト」(2007)などの現代劇で主要人物の子ども時代を演じ、名子役として知られていた。
その後、日本のラブコメディーをリメイクした「プロポーズ大作戦~Mission to Love~」(2012)のヒロイン役で大人の顔を見せ、「ホジュン~伝説の心医~」(2013)では、20歳も年上の故キム・ジュヒョクさん演じる主人公の妻役に抜てきされ、娘から妻、母へと成長していく演技が絶賛された。
安定した演技を武器に大人の俳優へと見事にシフトし、シェアハウスを舞台にした青春ドラマ「恋のドキドキ・シェアハウス ~青春時代~ 第1章」(2016)、続編の「恋のドキドキ・シェアハウス ~青春時代~ 第2章」(2017)では清楚でさわやかなイメージから一転、明るく破天荒なキャラクターにチャレンジした。
次ぐ法廷ラブコメディーの「法廷プリンス -イ判サ判-」(2017~2018)では熱血判事役に。被告の勝手な言い分に怒り、法廷で大暴れするなど問題も多いが、法の下で正義を尽くそうとするヒロインを好演した。また「39歳」(2022)のヨン・ウジンふんするツンデレ判事とのコミカルなやり取りを披露。対照的な男女が恋に落ちていくラブストーリーをロマンチックに紡ぎ、ラブコメのヒロインとしても認知されることになった。
そして、快進撃のはじまりになったのが「ストーブリーグ」(2019~2020)だ。万年最下位のプロ野球チームの再起に賭ける球団職員たちの奮闘を描く異色のスポーツドラマで、球界初の女性運営チーム長セヨンを演じた。ナム・グンミン演じるクールで不愛想な主人公に翻弄(ほんろう)されながらも、やがて良き右腕になっていくヒロインを颯爽と演じて、彼女の人気も急上昇した。ちなみに本作は韓国で最高視聴率19.1%を記録する人気作となり、第56回百想芸術大賞で「愛の不時着」「椿の花咲く頃」などを抑えて作品賞に選ばれた。
そんな大ヒット作の次に選んだのは、音大生たちの愛と青春を描いた「ブラームスは好きですか?」。天才ピアニストと、平凡ながら音楽への夢を断てないバイオリニストとのラブストーリーで、バイオリンを愛するゆえに4回の試験を経て26歳で音大に入学したというチェ・ソンア役を担った。夢を諦めない芯の強さがあり、現実との間で葛藤するヒロインを熱演。ダブル主演を務めた「浪漫ドクター キム・サブ」シリーズのキム・ミンジェとのケミストリーも抜群で、劇中に流れるクラッシック音楽の魅力と共にしっとりとした大人の恋愛ドラマとして高く評価された。
そして、“ウ・ヨンウ”ブームよりも前に、世界的に人気を押し上げたのが、Netflixで配信となった「恋慕」(2021)だ。ワケあって男装して世子になったパク・ウンビンの凜々しい姿は驚くばかりの存在感! 人を寄せ付けず、冷徹な世子を装いながら、初恋の相手へ思いに揺れる心を表情や仕草で絶妙に表現した。相手役のロウン(SF9)との相性も最高だった。
作品ごとに新鮮な驚きをもたらしてくれるパク・ウンビン。「梨泰院クラス」(2020)で一躍人気になったキム・ダミの出世作『The Witch/魔女』の続編『The Witch : Part2. The Other One(英題)』が韓国で6月に公開され、重要な役どころで出演。さらには、ボストンマラソンに出場した選手の実話をもとにした『Boston 1947(英題)』(日本公開未定)といった映画が控えている。「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌」の世界的ヒットで一躍グローバルな女優になった彼女が、これからどんな“天才肌”を披露してくれるのか、楽しみで仕方がない。(前田かおり)