菅田将暉、重要文化財でのヒット祈願に「気持ちよかった」
俳優の菅田将暉が23日、浅草にある浅草寺の伝法院で行われた『百花』大ヒット祈願イベントに原田美枝子とともに来場、都会の喧噪を忘れてしまいそうな場所で行われた大ヒット祈願に「気持ちよかった」と笑顔を見せた。
プロデューサー、脚本家、小説家などの肩書きを持つ川村元気が、自身の小説を自らメガホンを取って映画化した本作は、認知症により記憶を失っていく母親と、母を支える中で封印していた過去の記憶と向き合う息子の姿を描く。
この日の大ヒット祈願は都内最古の寺と言われている浅草寺の本堂で実施された。タイトルにちなんで、“百”日紅(さるすべり)の前で“母子”2ショットの記念撮影を行った後に、国の重要文化財に指定され、普段は入ることの出来ない伝法院にて、ヒット祈願が行われた。
祈願を終えた菅田は「すごく気持ち良かったです」と晴れやかな表情を見せると、「もちろん物理的な音とか、すきまを流れる風の気持ち良さもありますけど、ジッと目を閉じて聞いているとスーッと溶けていくような。いわゆるお祓い、ヒット祈願ってこっちも気が張るし、疲れるんですけど、今日は全然疲れなかったですね。癒やされた気がしました」とコメント。
役柄のこともあり、撮影現場では気軽に話し合うような関係性ではなかったという二人。そんな原田との共演を振り返り「本当にぜいたくな時間でした」と語る菅田は、「(撮影から)1年後くらいにプロモーションでお会いした時に、菅田くんってそんな人だったんだねと言われた時に、今回の現場では役自体がいかにのめり込むかというところで本当に大変だったので、このプロモーションがあって良かった」とコメント。さらに原田について「なんといってもその迫力ですね。それは大先輩だからというのもあったかもしれないですけど、それとは関係なく、同世代であってもビックリするような迫力というか。人間のパワーみたいなものを感じました」としみじみ語った。
一方の原田は「菅田さんが、みんなをギュッとまとめるような大きさのある人なんだなと、キャンペーンをやるようになってから気付きました」と笑い「だからいい人だなと。わたしから見ると息子のようなものなので、いい子だなぁと。この人と仕事をして良かったな。1年経って気付きました」と語った。そしてそれを受けた菅田も「僕も撮影中はどんな人なのかなと探ることはなかったので、いい人と言ってもらえて良かったです」と笑いながら付け加えた。
そして、最後のコメントを求められた原田は「川村監督は今の時代に、携帯を置いて、パソコンも閉じて、映画館の暗闇で何時間か、その物語と対峙するのが一番のぜいたくなんじゃないか、そうであってほしいという思いでこの映画を作られたそうなんです」と語った。菅田は「もう2年くらい前ですかね。コロナ禍で撮影も全部ストップして家の中にいた時、(監督が)『菅田くんと一緒に自分が書いた本で映画を撮りたいんだ』と言ってくださって。その時に勝手な使命感として、監督と一緒にやらねばと思いました。ようやく公開が近づいてきました」と感慨深げにコメントした。(取材・文:壬生智裕)
映画『百花』は9月9日より全国公開