「六本木クラス」竹内涼真の直球な魅力 チーフ演出&P明かす
韓国ドラマ「梨泰院クラス」をリメイクするテレビ朝日系ドラマ「六本木クラス」(毎週木曜夜9時~)で、居酒屋を経営する主人公・新を演じる竹内涼真。韓国版ではパク・ソジュンが演じた人気キャラクターに竹内を起用した理由、新を通して見えてくる竹内の魅力について、チーフ演出を務める田村直己と、西山隆一プロデューサーが語った。
韓国ドラマ「梨泰院クラス」(2020・Netflix)と、舞台を日本に置き換えたチョ・グァンジンのウェブ漫画「六本木クラス~信念を貫いた一発逆転物語~」を原作にした本作。巨大外食産業「長屋ホールディングス」の会長・長屋茂(香川照之)とその息子・龍河(早乙女太一)に人生を狂わされた主人公・宮部新(竹内)が復讐を誓い、亡き父に教えられた信念を胸に巨大権力に立ち向かっていく。夢は大きく、正直で、忖度せず、人望があり、だけど恋愛は不器用。新はまさに「理想の男」として描かれているが、リメイク版の企画を立ち上げた西山Pは、竹内にこの大役をオファーした理由を以下のように語る。
「2年前の5月、僕が『梨泰院クラス』をリメイクしたいと韓国とやりとりを始めた時点から自分の中では竹内さんだと決まっていたんです。これは役者としてというより人間としての部分だと思うんですけど、熱い方だなと。彼の持っているパッション、熱い部分というのがこれまでのドラマ、作品を観ていてもにじみ出ていると感じていましたし、それを直球で表現される。人として、役者としての資質が宮部新にぴったりだなと思いました。185センチの身長、たくましい体という日本人離れしたルックスも彼にしかない魅力。それはこの役に必要だと思っていたので。受けていただいたときはすごくうれしかったですね」
チーフ演出を務める田村は、「ドクターX ~外科医・大門未知子~」シリーズをはじめ、テレビ朝日で多くのヒットドラマを生んできたベテランだ。もともと本家の「梨泰院クラス」をコロナ禍で観ていたといい、パク・ソジュンが演じた主人公セロイに魅了されたという。「セロイっていそうでいない感じで、僕からすると、ちょっと高倉健さんが演じたキャラクターを思わせる古風な男。昭和のにおいがするというか。そのあたりも竹内くんがうまくやってくれていると思います」
田村監督が竹内と組むのは本作が初。とりわけ「チームワークを大事にする」ところが、主人公そのものだという。「しっかりと自分の意見を持っていて、それを熱く語り、実際に体現してもらうとこっちの意見も考えながらやってくれるし、パワフル。皆で作品を作るという意志が強く、ぶれない信念と気合いがある。新と違って竹内君は人の意見を聞ける方ですが、彼はサッカーをやっていたこともあってチームワークを大事にする。その点においても、まさに新だなと」
田村監督が特に魅了されたシーンとして挙げるのが、3話で新が自身の父を亡き者にした仇・龍河と対峙する場面。新を侮辱し、挑発する龍河に対して、新は殴りそうになるのをこらえて「俺の計画は20年がかり」「俺の信念と気合いを見せつけてやるから楽しみに待ってろ」とすごむ。「初めはやり過ぎかなと思ったところもあったんですよ。なぜかというと、まだ1話も編集し終えていない時点で、キャラクターが出来上がっていなかったから。そこからある程度の話し合いをして決着して、出来上がったシーンを見た時に『すごいな』と。1話から3話までは手探りな部分が多かったですが、今は安心をして彼が『こうしたい』と言ったらいくらでも取り入れるようにしています」
実際に劇中に取り入れられた竹内の提案は、例えば第2話でのこと。街中で着ぐるみを着て店のチラシ配りをしていた新が、バイクに乗った人気インフルエンサーの麻宮葵(平手友梨奈)、その同級生の龍二(鈴鹿央士)と衝突し、病院に運ばれる。病院のベッドで目を覚ました新のリアクションが、韓国版とは一味違うものになっている。
「竹内君の芝居は、新が目を覚ますなりパンダの着ぐるみをうろうろ探し回る、というものだったのですが、普通ベッドの上で騒がないじゃないですか。初めはちょっと子供っぽい感じもするし、どうかなと思ったんですけど、チャーミングだったので採用しました。実直な感じが、セロイよりもかわいらしく表現されているところが多々あるような気がします」
本作は本場・韓国をはじめ、世界7つの国と地域での配信も決定しており、海外での竹内人気の広がりにも注目が集まる。(編集部・石井百合子)