『ハムナプトラ』俳優がむせび泣き…カムバック作で6分間のスタンディングオベーション
第79回ベネチア国際映画祭
『ハムナプトラ』シリーズで知られるブレンダン・フレイザーのカムバック作となる映画『ザ・ホエール(原題) / The Whale』が第79回ベネチア国際映画祭で上映され、6分間の熱烈なスタンディングオベーションを受けたとVarietyなどが伝えた。感極まったブレンダンはむせび泣き、メガホンを取ったダーレン・アロノフスキー監督と抱き合い、止まらぬ拍手にお辞儀で応じた。
2018年、ゴールデン・グローブ賞を主催するハリウッド外国人記者協会(HFPA)の元会長フィリップ・バークから2003年にセクハラを受けてウツ状態になったことが、ハリウッドの表舞台から去ることになった一因だったと米GQ誌に告白して話題になったブレンダン。カムバック作となる『ザ・ホエール(原題)』はベネチアで高評価を得て、ブレンダンはアカデミー賞主演男優賞候補と目されており、華麗なる復活を遂げたといえる。悪役を務めたDC映画『バットガール(原題) / Batgirl』はお蔵入りになってしまったが、今後もマーティン・スコセッシ監督の新作『キラーズ・オブ・ザ・フラワー・ムーン(原題) / Killers of the Flower Moon』など話題作の公開が控えている。
A24が手掛ける『ザ・ホエール(原題)』は、『マザー!』(2017)以来のアロノフスキー監督作。劇作家サミュエル・D・ハンターが2012年に発表した同名舞台劇を基に、体重600ポンド(約272キロ)の主人公チャーリー(ブレンダン)が、疎遠になった娘(「ストレンジャー・シングス 未知の世界」シリーズのセイディー・シンク)との関係を修復しようとする姿を描く。
父娘が疎遠になってしまったのは、チャーリーがゲイの恋人を選び、家族を捨てたから。その恋人の死後、チャーリーは悲しみのあまり暴飲暴食に走り、病的な肥満体形となってしまったという設定だ。Vanity Fair によると、ブレンダンはシーンに応じて50ポンド~300ポンド(約23キロ~136キロ)のファットスーツを着用しているとのこと。
ベネチアでの上映ではブレンダンのみならず、物語が迎える結末に多くの観客が涙を流していたという。12月9日全米公開。(編集部・市川遥)