MIYAVI、ヤクザのボス役に不安も『ヘルドッグス』出演 原田眞人監督の熱意に感激
映画『ヘルドッグス』の日本外国特派員協会記者会見が6日に開催され、原田眞人監督とMIYAVIが出席。MIYAVIが本作に向けた思いを語り、原田監督は、主演の岡田准一をはじめ、坂口健太郎、MIYAVIが織り成す劇中の関係性について言及した。
本作は、深町秋生の小説「ヘルドッグス 地獄の犬たち」を原田監督と岡田のタッグで映画化。過去に大切な人を救えなかったトラウマを持つ元警察官・兼高(岡田)が、関東最大のヤクザ組織に潜入し、無軌道なヤクザ・室岡(坂口)とコンビを組んでのしあがっていく。
原田監督は「原作小説を読んで『地獄の黙示録』の要素を感じたのですが、それと極道の世界を融合できれば面白いと思った」と企画の発端を明かすと「その中で『ヘルドッグス』の面白さの要素は、3人の男の間にある、ある種の愛情関係。そこを描ければとプロデューサーに提案してOKをもらったんです」と言葉を足す。
岡田、坂口、そして彼ら2人がボディーガードを務めるヤクザ組織「東鞘会」のトップ・十朱を演じたMIYAVIという3人の関係性。原田監督はサミュエル・フラー監督の『東京暗黒街・竹の家』を例に出し「あの映画で描かれた男の三角関係を、岡田さん、坂口さん、MIYAVIさんに演じてもらいたいと思ったんです」と語る。さらに、岡田の相手役に坂口とMIYAVIを選んだ理由について「坂口さんと岡田さんは初顔合わせでしたが、話をして坂口さんはとてもチャーミングですぐに恋に落ちました。MIYAVIさんは、以前アンジェリーナ・ジョリーが監督を務めた『不屈の男 アンブロークン』を観ていて、いつかご一緒できればと思っていたんです。原作を読んでいたとき、十朱役にMIYAVIさんの顔が思い浮かんだんです」と説明した。
そんな原田監督からのオファーを受けたMIYAVIは「国内のみならず、世界的に屈指の映画監督。ただ顔に傷がないし、体重ももっと増やさないと、ヤクザのボスに見えないのかも……という不安がありました」と正直な胸の内を明かすと「でも、監督や東映の方々にお会いして、国内マーケットだけではなく、世界に向けて新しい極道映画を作りたいという熱意に感激し、参加させていただきました」と快諾の理由を明かしていた。
原田監督からは『地獄の黙示録』の(マーロン・ブランド演じる)カーツ大佐を意識してほしいと言われたというMIYAVI。本作の見どころのひとつである、アクションシーンついては「キックボクシングをやっているとお伝えしていたのですが、思ったほどアクションシーンがなかったんです」と笑うと「でも、岡田さんが自分のシーンの撮影が終わったあとも、全部アクションシーンは見てくれていたので、とても楽しく撮影ができました」と振り返っていた。(磯部正和)
映画『ヘルドッグス』は9月16日より全国公開