アンソニー・ホプキンス『ファーザー』に続く家族3部作、『ザ・サン』でヒュー・ジャックマンが圧巻の演技
第47回トロント国際映画祭
第47回トロント国際映画祭でヒュー・ジャックマン主演作『ザ・サン(原題) / The Son』の上映が行われた。本作は、劇作家で映画監督のフロリアン・ゼレールによる“家族3部作”(「ザ・ファーザー」「ザ・サン」「ザ・マザー」)の『ファーザー』(2020)に続く映画化第2弾。重度のうつ病を患ったティーンエイジャーの息子(ゼン・マクグラス)とその家族の関係を映し出している。
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ピーター(ヒュー)は2番目の妻ベス(ヴァネッサ・カービー)との間に子供が生まれたばかりで幸せいっぱいだったが、前妻ケイト(ローラ・ダーン)から思春期の息子ニコラスの精神状態が非常に不安定で、これ以上は一人で対処できないと告げられる。ピーターはニコラスをベスとの家に迎え入れ、父として息子を支えようとするが……。ヒューは息子を愛する気持ちは確かにあるものの、自分自身の人生を生きることに重きを置く近視眼的なピーターを生々しくリアルに演じている。ピーターの父親役で、『ファーザー』で2度目のアカデミー賞主演男優賞に輝いたアンソニー・ホプキンスも出演している。
何年も前から「ザ・サン」を映画化したいと思っていたというゼレール監督は「なぜなら、多くの人々が同じようなメンタルヘルスの問題に対処しており、それらにはいまだに多くの恥、罪悪感、無知が付きまとっているからです。そうした感情は、重要な話し合いをしばしば妨げてしまいます。この映画が何らかの形で、心の病にまつわる議論に思いやりのある声を加えることができるものになっていればと願っています」と声明を出している。(編集部・市川遥)
第47回トロント国際映画祭は現地時間18日まで開催