「silent」夏帆に絶賛の嵐!決して叶わぬ夢が切なすぎる
ドラマ「silent」(フジテレビ系・毎週木曜よる10時~放送)の第6話が10日に放送され、佐倉想(目黒蓮)に思いを寄せる桃野奈々を演じる夏帆のきめ細やかな演技と切ない心理描写が反響を呼び、タイトルのほか「夏帆」「奈々ちゃん」のワードがTwitter上位にトレンド入りした(※ネタバレあり。第6話の詳細に触れています)。
本作は、主人公の紬(川口春奈)が高校時代の恋人・想と8年を経て偶然の再会を果たし、耳に障害のある彼との間に立ちはだかる厳しい現実に葛藤しながらも乗り越えていこうとするラブストーリー。第6話では、紬と戸川湊斗(鈴鹿央士)が別れたのち想が紬への想いを募らせていく一方、想の支えとなりそばにいた奈々(夏帆)の想いが引き裂かれていくさまが描かれた。
時間軸を交互させた巧みなストーリー展開や、登場人物たちの緻密なキャラクター描写が「泣ける」と話題沸騰の本作。第6話の軸となった奈々は、大学時代に徐々に聴力を失い孤立しつつあった想に寄り添い、希望をもたらした人物。ろう者であるゆえに想の苦悩を理解できる奈々は、想にとってかけがえのない存在になっていくが、二人の関係は友人以上恋人未満でとどまっていた。しかし、想が紬と再会したことによって自分だけが得られた想の「隣」を奪われていくことになる。
奈々は笑顔の絶えない心優しい女性だが、きれいごとでは終わらないところも本作が評価されている理由の一つ。久々に想から連絡を受け胸を弾ませて会いに行ったのに、想は深刻な話を切り出そうとする。そんな彼に奈々は「あの子の彼氏友達なんでしょ? だめだよ、けんかになるよ。昔の恋人、昔の親友、想くんと再会したせいで別れちゃったんだ。かわいそうだね」「想くんのことかわいそうだから優しくしてくれるだけ」と残酷な言葉を手話で伝える。
とりわけ視聴者の心を揺さぶったのが、奈々がみた夢。夢では想も自分も聴者で、欲しかった小さな青いバッグを手に想と携帯で話し、仲良く手をつないで歩いている。それらはろう者である自分には決して叶えられないことだった。夢からさめた奈々は紬に会いに行き、想の声を聴いたことがあるという紬がうらやましくてたまらず、心ない言葉で紬を傷つける。大学時代には「奈々と手話だけで話せるようになるのが目標だった」と言っていた想。彼との「二人だけの世界」が今、崩れ落ちようとしている。そんな幸福な日々を思い返し泣きながら歩く奈々、想からの携帯を受け、聴こえることのない彼の声に耳を澄ませる奈々……。
想像を絶する哀しみ、苦しみをたたえた夏帆の演技に「切ない」「号泣した」「奈々ちゃんの夢に涙」「夏帆さんのお芝居凄い」「奈々ちゃんの言葉が重たい」と絶賛の声がSNS上を埋め尽くした。奈々の想いに想像を巡らせ、寄り添う声のほか「絶対に幸せになってほしい」とのエールも相次いでいた。(編集部・石井百合子)