役所広司、親子役で共演の吉沢亮は「立派な息子です」
役所広司と吉沢亮が22日、新宿ピカデリーで行われた映画『ファミリア』の完成披露試写会に来場。父親を務めた役所が吉沢に「こんなに褒めてくれて、いい息子です」と称賛する一幕があった。この日は共演者のサガエルカス、ワケドファジレ、アリまらい果、シマダアラン、スミダグスタボも来場した。
【画像】役所広司&吉沢亮の父子ショットも!『ファミリア』カット
役所と吉沢が父子役で初共演を果たした『ファミリア』は、陶器職人として一人山里に暮らす神谷誠治(役所)と仕事でアルジェリアに赴任中の息子・学(吉沢)、そして在日ブラジル人青年らが強い絆で結ばれていくさまを描き出したヒューマンドラマ。『いのちの停車場』などの成島出が監督を務め、役所と吉沢とともに室井滋、松重豊、MIYAVI、佐藤浩市、そしてオーディションで選ばれた在日ブラジル人のキャストたちが出演する。
コロナ禍による影響で撮影中断もあった本作。吉沢は「この作品はコロナの影響も受けて撮影が延びて、できあがるのかという不安のなか、みんなで力を合わせて乗り越えた作品です。でも、ついに映画ができあがり、ついに観ていただける日が来て、感無量でございます」と晴れやかにあいさつ。
役所との親子役での初共演については「すごくうれしかったです」と笑顔を見せる。「いつかはご一緒させていただきたいと思った人ですし、お話自体もすばらしくて。やはり役所さんとお芝居ができるということも、この作品に参加させていただく重要なことのひとつだったので」とコメント。実際に共演してみて「すごく緊張しましたけど、すごく楽しくて。実際にお芝居をして学ばせていただくこともたくさんありました。そのたたずまいというか、その場に役の人が存在しているというか。焼き物職人としての日常がこれなんだという説得力がすざましかったですね」と語る。
その言葉を聞いた役所は「立派な息子ですよね。お父さんのことをこんなに褒めてくれて」とニッコリ。「吉沢くんが自然に(息子役として)存在してくれるんで、(自身が演じた)誠治役が彼を通して身体の中に入ってきたと思います」と続けると、一緒にろくろを回すシーンについて「僕はけっこう時間をかけて、苦労してろくろの練習をしていて。吉沢くんは大河ドラマであまり練習はできなかったんですけど、意外に達者で。なんでそんなにできるんだと話をした記憶があります」と笑いながら振り返った。
本作に出演する在日ブラジル人の若者たちは、実際に日本で暮らすブラジル人の若者たちをオーディションで抜てき。この日の登壇者たち全員が本作で映画デビューとなったが、全員がリアリティーを感じさせる存在感を見せつけている。そんな彼らもこの日は緊張の面持ちで登壇。成島監督が「今日はみんな真面目に並んでいますけど、普段はおおらかで、言うことをきかないんだけど、それが可愛かった」と語ると、役所も「本当にブラジルの子たちが今日はこんなにいい子で。僕が知ってる子たちとは違う。立派なスピーチもするし」と笑みを浮かべる。
そんななか、吉沢との共演シーンが多かったというアリは「演技も初めてなので、本当に毎日一生懸命やらないと、やっていけない感じがあって。すごくいっぱいいっぱいな時もありました」と振り返る。「でも、よく覚えているのは、シーンが始まる前に、役所広司さんも、吉沢亮さんもそうですけど、(リラックスできるように)全然違う話をしてきてくださって。それはほかのスタッフの皆さんも、キャストの方もそうだったんですけど、私たちがすごく自然にいられるように、そういう雰囲気でいてくださって。そういう感じで最後までできたなと思います。愛があふれている現場でした」と紹介。すると司会者が「吉沢さん、優しかったということですよね?」と問いかけ、吉沢は「ハイ」と返答。さらに吉沢がアリに「ね?」と促して、会場は笑いに満ちた。(取材・文:壬生智裕)
映画『ファミリア』は2023年1月6日より全国公開