北川景子、監督から“サザエさん”要望「難しい」
北川景子が9日、都内で行われた映画『ラーゲリより愛を込めて』の初日舞台あいさつに登壇し、サザエさんをイメージして役に向き合ったことを明かした。この日は、主演の二宮和也をはじめ松坂桃李、中島健人(Sexy Zone)、桐谷健太、安田顕、瀬々敬久監督が集結。寺尾聰からはメッセージが寄せられた。
辺見じゅんのノンフィクション小説に基づく本作で、第二次世界大戦終了後、シベリアの強制収容所(ラーゲリ)に捕虜として不当に抑留された山本幡男さん(二宮)の妻を演じた北川。「昨年の今ごろ撮影をしていました。ここにいらっしゃる男性陣が命を懸けて臨んでいらっしゃって、みんなどんどん痩せていくし、みんなの頑張りや努力が早くみなさんに届けばいいなと思っていました」と打ち明け、ようやく迎えた初日を喜んだ。
そんな北川に、幡男の息子・顕一の壮年期を演じた寺尾から、顕一さん本人の手紙が代読された。そこには、「一生懸命の努力家だったけど、実はとても不器用な人間」「普段は涙を見せなかったが、幡男の死亡通知が届いたときに叫びながら泣いた」というモジミさんの人柄などを瀬々監督に伝えたこと、「映画の中の北川景子さんを見て、そのまっすぐな演技から、ひたむきに父・幡男の帰りを待ち続けていた母・モジミの姿が思い起こされ胸が熱くなりました」という胸中が綴られていた。
その言葉をじっくり聞いていた北川は、MCから感想を求められると「わたしはサザエさんだから」と笑い、「監督から『サザエさんみたいにやって』と言われたのが初日だったので難しいなと思いました」と吐露。また、「サザエさんと聞いて、良妻賢母だけというよりは、子どもとか幡男さんのお母さんとか、愛する人との子どもや家族を心配させないために冗談を言ったり、楽しく待っていることを心掛けていた方なんだろうな……と思って、そこからはなるべく、(登場人物の)みなさんが明るくなれるようなシーンにできたらいいなと思って演じました」と振り返る。一方、「(キャストの)みなさんがすご過ぎて、自分が作品のトーンを乱していなければいいなとずっと考えていた」という不安もあったそうで、顕一さんの手紙に安どの表情を浮かべ、「ありがとうございました」と頭を下げた。(錦怜那)