ADVERTISEMENT

「今際の国のアリス」シーズン2は何がすごいのか?

「今際の国のアリス」シーズン2よりアリス(山崎賢人&土屋太鳳)
「今際の国のアリス」シーズン2よりアリス(山崎賢人&土屋太鳳) - (C) 麻生羽呂・小学館/ROBOT

 Netflixの人気サバイバルドラマ「今際の国のアリス」のシーズン2が配信され、登場人物それぞれの結末までを描き切った本作について、SNS上でも「面白かった!」「一気見した」と熱い感想が見受けられる。シーズン2は何がすごいのか? 魅力を振り返ってみた。

【動画】青柳翔、アグニとヘイヤは名作映画をイメージ

演技力、身体能力を兼ね備えた“けんたお”コンビ

“今際の国”の正体を突き止めることをあきらめないアリス

 シーズン2のストーリーの軸となるのが、生きる意味を見失っていたアリスやウサギの心の変化。もともとアリスは、優秀な弟と比較されて家に居場所もなく、ゲームをしたり、友人のカルベ(町田啓太)やチョータ(森永悠希)と過ごす時間だけ笑顔になれる青年で、人生に嫌気がさしていた。ウサギも尊敬する父を死に追いやった人たちを恨んでおり、元の世界に戻ることに後ろ向きだ。

ADVERTISEMENT
ウサギは元の世界に戻ることに葛藤があり……

 そんな彼らが、手を取り合って過酷な“げぇむ”に立ち向かう中で、「誰かを守りたい」という情熱がメラメラと湧き上がってくる。長年にわたって多くの作品で共演を重ねてきた山崎と土屋のコンビネーションも抜群で、シーズン1以上にググッと距離を縮めていくアリス&ウサギの心情を見事に表現。コンビニでお店屋さんごっこをするはにかんだ笑顔や、ゾウと遭遇する混浴シーンなど、シーズン1にはないロマンチックな場面もあり、ドキドキ感や人生に愛おしさを感じていくドラマ性もパワーアップしている。そうして「元の世界に戻りたい」という意志を確かめたアリスは、“今際の国”の謎とは一体何なのか? というシリーズの根底に流れるテーマに迫っていく。じわじわとその謎が明かされていく後を引く展開に加え、ラストまで描き切った佐藤監督の手腕に舌を巻きつつ、それぞれの生きざまに思いを馳せることができるクライマックスだったことも、評価が高い理由の一つではないだろうか。

ADVERTISEMENT

 また山崎は、「極限状態を表現することこそ、本シリーズの魅力。『きちんと表現したい』と気合いを入れた」とシーズン2の撮影に臨む上での覚悟をシネマトゥデイのインタビューで語っていたが、本作では肉体的、精神的にも極限状態にありながら、カルベやチョータらへの思いも胸に巨大な壁に立ち向かっていくアリスの葛藤、成長を体現。大ヒットシリーズ『キングダム』に続き、底力のある俳優としての存在感を証明した。海外ファンも増やした本シリーズは、彼の代表作の一つとなった。

山下智久のキューマら強烈な敵キャラ

新キャラクターのキューマは、山下智久の肉体改造も話題に

 アリスやウサギ、彼らの仲間となる面々にも個性的なメンバーが顔を揃えているが、敵キャラも本シリーズの魅力。とりわけ強烈なインパクトを残したのが、山下智久演じる「すうとり」のゲームマスター、キューマ。衣服をまとっていない状態で登場してアリスたちを驚かせるキューマは、山下自身の持つ特別なオーラも相まって、圧倒的なカリスマ性を放っている。常に裸で過ごしているキューマだが、隠さなければいけない部分はカメラワークなどでうまく守られており、製作陣のアイデアと熱意を感じた。その鍛え抜かれた美しい肉体は彼のストイックさの現れで、惚れ惚れすること間違いなしだ。

オリジナルキャラクターのリサを演じるのは、大河ドラマ「鎌倉殿の13人」暗殺者トウ役で人気を博した山本千尋

  ドラマオリジナルの“げぇむ”である「ちぇっくめいと」のゲームマスター、リサを演じる山本千尋のアクションにもくぎづけになる。映画『キングダム2 遥かなる大地へ』やNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」など新世代のアクション女優として一気に知名度を高めている山本だが、本シリーズでは、こちらもアクションに定評のある土屋とのガチンコファイトに挑戦。2人ともパルクールでアクロバティックな動きの訓練もしたというだけに、階段や狭い通路を跳んだり駆けたりしながら、パンチ、キックを繰り出すアクションはスピーディーで勢いもたっぷり。リサの悪女的な雰囲気も美しい。

ADVERTISEMENT

 そしてスペードのキング、シーラビがアリスたちに与える恐怖にも震える。不気味な佇まいとバッタバタと相手をなぎ倒していくシーラビの迫力を表現したのは、『セイバー+ゼンカイジャー スーパーヒーロー戦記』(2021)やシェイクスピアの舞台などでも活躍する谷田歩。クイナ(朝比奈彩)やアン(三吉彩花)、ヘイヤ(恒松祐里)などが束になってもかなわない、その強さはまさに異次元。毅然と立ち向かっていく朝比奈、三吉、恒松らのアクションも胸を打つが、シーラビとアグニ(青柳翔)による重量級の戦いも格別。本シリーズは「アクションがすごい」と改めて実感できるはずだ。

話が盛り上がる!トライするならどの“げぇむ”?

「てんびん」回のゲームマスターはクズリュー(阿部力)

 シーズン1以上に難易度や過酷さがレベルアップした“げぇむ”の内容も、視聴者の興味を引いた。5人1組となって持ち点を取り合う「すうとり」などチームの一体感が見どころとなるもの、着用した首輪の後ろに現れるマークを当てる「どくぼう」など、相手との駆け引きにゾクゾクとする一戦。0から100の中から数字をひとつ選び、全員の平均値×0.8の数に最も近い数を選んだ者が勝者となる「てんびん」など、知能が鍵となるものもある。

 「てんびん」では、参加者の頭上にてんびんが吊るされており、敗者はあふれ出した硫酸を浴びることになるなど、とんでもない残酷な展開も……。家族や友人と本シリーズを観れば「こんな最期は嫌だ!」「このゲームならやれるかも」「あの人はこのゲームが得意そう」「どのキャラクターが好き?」など、スリリングな描写にハラハラしながら話が盛り上がること必至。「誰かと話したくなる」という要素も、ヒットの秘訣だと言えそうだ。(成田おり枝)

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • ツイート
  • シェア
ADVERTISEMENT