仮面ライダー王蛇は“人生の土台” 萩野崇&岡元次郎、二人三脚で駆け抜けた20年
東映特撮ファンクラブ(TTFC)で配信がスタートした「仮面ライダーアウトサイダーズep.1 鏡の世界(ミラーワールド)のお宝と王蛇の帰還」で、浅倉威/仮面ライダー王蛇を演じた萩野崇と、王蛇のスーツアクターを担当した岡元次郎。「仮面ライダー龍騎」(2002~2003)から20年、二人三脚で王蛇を演じてきた二人が、「龍騎」当時のエピソードや、本作で誕生した強化フォーム「王蛇サバイブ」について語った。
【動画】王蛇への苦情に白倉Pが…!『ギーツ×リバイス』龍騎チーム座談会
■「シャンゼリオン」がなければ、王蛇を演じることはなかった
「仮面ライダーアウトサイダーズ」は、TTFCオリジナル作品「仮面ライダーゲンムズ」からつながる新シリーズ。歴代作品の世界観をクロスオーバーさせながら、「悪意の消滅」を目指す超知能ゼインの対抗手段になり得る、アウトサイダーな仮面ライダーたちの姿を描く。第1弾では、「仮面ライダー龍騎」でライダーバトルをかき回した浅倉威/仮面ライダー王蛇が登場する。
萩野と岡元の出会いは、1996年に放送された東映特撮「超光戦士シャンゼリオン」。私立探偵・涼村暁(萩野)が変身するシャンゼリオン(スーツアクター:岡元)の活躍をコミカルかつシリアスに描いた作品で、狂気をむき出しにする浅倉威とは正反対の役柄だった。岡元は「シャンゼリオン」がなければ「仮面ライダー王蛇を演じることはなかった」と強調すると、萩野も岡元との出会いがなければ「仮面ライダー龍騎」の浅倉役は「考えられなかった」と語る。
「『超光戦士シャンゼリオン』全39話中、38.5話はふざけ倒していた二人が、コミカルな要素を一切排除して狂気と化していくさまは、まさに『鬼に金棒』です。『龍騎』のプロデューサー陣にも、絶対にすごいことをやろうという思惑があったと思います。それができなかったら、王蛇が早々にリタイアしていたかもしれません」(萩野)
■休憩中に浮かんだ、王蛇の“首回し”
テレビシリーズ中盤から登場した王蛇は、凶悪犯の浅倉が変身したコブラがモチーフの仮面ライダーだ。萩野より先にクランクインした岡元は、戦いに飢えた王蛇の気だるさを表現するため、休憩中の何気ない動作からヒントを得ていた。
「撮影の休憩時間に、首を回して蛇っぽさを表現したらどうかと思いつきました。ただ、やり過ぎてしまうと萩野くんの演技と全くつながらない可能性もあったので、首を回したことは最初の撮影が終わった時に伝えました。攻撃を受けて倒れてもゆっくり立ち上がったり、逆に倒れたと思ったら急に動いたり、王蛇には『何をしでかすかわからない』という自由な感覚があります」(岡元)
「苛立つ浅倉が仮面ライダーに変身すると、好き放題に戦えるという喜びがグンと跳ね上がります。戦いを楽しむ王蛇の声は、次郎さんの動きを見させていただき、アフレコで自然と生まれていきました。王蛇の動きは見ていてワクワクするので、収録は毎週楽しみでした」(萩野)
■20年越しの強化フォーム、王蛇サバイブは「ご褒美」
萩野と岡元が再びタッグを組んだ「仮面ライダーアウトサイダーズ ep.1」では、サバイブのアドベントカードを使用した王蛇が「王蛇サバイブ」に変身する。王蛇の強化に驚きを隠せなかった萩野は、テレビシリーズから20年越しとなる強化フォーム誕生を「ご褒美みたいなもの」と表現した。
「柴崎貴行監督(※崎はたつさきが正式表記)から『サバイブになります。より荒々しい感じになっています』と伝えられました。新技も追加されていて、面白いです。ファイナルベントも、さらに強化されています」(萩野)
50年の歴史を誇る「仮面ライダー」シリーズの中でも、屈指の悪役キャラクターとして高い人気を得ている浅倉威/仮面ライダー王蛇。今年50歳を迎える萩野は「役者としてここまで活動できたのは、20代でシャンゼリオンや仮面ライダー王蛇と出会えたから。本当に人生の土台です。次郎さんとコンビでここまで来られたのは幸せなことです」とキャラクターとの出会いに感謝した。
歴代仮面ライダーを数多く担当してきた岡元にとっても、「仮面ライダー龍騎」は「代表作の一つ」として刻まれている。「仮面ライダーBLACKなどさまざまな仮面ライダーを演じてきましたが、中でも他とは違うスタイルで、アクション等いろいろなことができた王蛇は印象に残っています。観ていた方と同じ気持ちだと思いますが、忘れることのできない仮面ライダーです」(取材・文:編集部・倉本拓弥)
「仮面ライダーアウトサイダーズep.1 鏡の世界(ミラーワールド)のお宝と王蛇の帰還」は東映特撮ファンクラブ(TTFC)で独占配信中