マーベル社長、観客がスーパーヒーロー映画に飽きる日が来るとは思わない
マーベル・スタジオ社長のケヴィン・ファイギは、観客がスーパーヒーロー映画に飽きる日が来るとは思っていないという。ポッドキャスト番組「The Movie Business Podcast」に出演して語った。
マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)は映画『アベンジャーズ/エンドゲーム』および『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』で一段落つき、2021年のフェーズ4に入ってから、興行的にも批評的にも今までの勢いが失われつつあるのではないかと見る向きもある。2018年には映画『スター・ウォーズ』シリーズがハイペースで公開された後、スピンオフ『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』が興行的に苦戦した原因として観客の“スター・ウォーズ疲れ”が上げられ、ウォルト・ディズニー・カンパニーのCEOであるボブ・アイガーもそれを認めたことが話題になった。
しかし、ファイギはマーベルに関して、そのような心配は一切していないのだそう。それは、マーベル・コミックスには約80年の歴史が生んだ膨大な作品群があるからだ。「わたしは22年以上をマーベル・スタジオで過ごしていますが、多分2年目から『アメコミ映画化ブームはいつまで続くんですか?』と聞かれてきました。わたしはこの質問をよく理解できなかったんです」と切り出す。
「なぜならわたしにとってそれは、『風と共に去りぬ』が大ヒットした後に、『あと何冊、小説の映画化ができるでしょうか? 観客は小説の映画化に興味を失うと思いますか?』と言うのと同じようなものでしたから。そんなこと、誰も言わないでしょう? 小説はどんなものでもあり得るし、どんなジャンルもある、というのが多くの人たちの共通認識ですが、コミックを読まない人たちには、コミックでも同じことが言えるということが理解できないのです」
ファイギは「ストーリーを正しく語り、相応しく脚色すれば、観客は22年以上もわたしたちについてきてくれる……ということをこれまでの経験で学びました。わたしたちはマーベル・スタジオのロゴと、歴史あるコミックからのアイデアを基に、どんなタイプの映画だって作ることができるのです」とマーベル・スタジオの今後に自信を見せている。
MCUフェーズ5の幕開けを飾る『アントマン&ワスプ:クアントマニア』は2月17日に日本公開される。(編集部・市川遥)