『アントマン3』でMCU参戦!原作人気ヴィラン・モードックとは
映画『アントマン』シリーズ第3弾『アントマン&ワスプ:クアントマニア』(2月17日全国公開)の予告編にチラっと登場した、巨大な頭部と小さな手を持つキャラクター。その正体は、マーベル・コミックの人気ヴィラン、M.O.D.O.K.(モードック)だ。原作ファンから高い人気を獲得しているモードックは、どんなヴィランなのか? キャラクターの歴史と合わせて紹介する。
【動画】『アントマン&ワスプ:クアントマニア』本予告(モードック登場は1:46~)
ゲームやアニメでも大活躍!モードックの歴史
コミック初登場は1967年刊行の「Tales of Suspense #93」。M.O.D.O.K.とは「殺人のために設計された可動式有機体」(Mental Organism Designed Only for Killing)の略。原作では、悪の科学者による秘密結社A.I.M.(Advanced Idea Mechanics)の技術者ジョージ・タールトンが、演算装置の実験台にされて、超人的な知能とサイキック・パワーを持つようになった存在だ。彼はこの力を使って、A.I.M.の首領となる。特徴として、超頭脳のため頭部が極度に巨大化し、移動するための装置“ドゥームズデイ・チェア”に座っている。この椅子にはミサイルなどの化学兵器が搭載されている。
モードックのユニークなルックスは多くのファンに愛され、コミック以外のメディアでも大活躍。「アベンジャーズ・アッセンブル」などのテレビアニメや、ラスボスとして描かれた「Marvel's Avengers (アベンジャーズ)」など多数のビデオゲームに登場している。
MCU参戦の予定は何度もあった
モードックは人気キャラクターであることから、すでにマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)にも関連アイテムが登場済み。『アイアンマン3』(2013)でガイ・ピアースが演じた、悪徳実業家キリアンが経営していた企業の名称がA.I.M.だった。これはモードックを生み出し、今は彼が支配する組織の名称なので、ファンがザワついた。
また、『キャプテン・アメリカ ザ・ファースト・アベンジャー』(2011)公開後、脚本家コンビの一人であるクリストファー・マルクスが、LA Times の取材で、続編のヴィランをモードックにして、ドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」のピーター・ディンクレイジに演じてほしかったと発言している。マルクスはかなりのモードックファンらしく、同じコンビで脚本に参加した『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018)の時にも、アメコミ大好き監督ケヴィン・スミスのポッドキャスト Fat Man on Batman で、同作にモードックを登場させたかったと語っている。ちなみに、同作にはマルクスがモードック役に希望したディンクレイジが、ソーの友人である職人エイトリ役で出演している。
そして、登場寸前だった作品がドラマ「エージェント・オブ・シールド」のシーズン4~5(2017~2018)。劇中ヴィラン、アントン・イワノフのコードネームは、モードックの変形バージョンの一つである「M.O.D.O.K.スペリオル」(Superior)と同じスペリアー(Superior)。これは偶然ではなく、ドラマの製作総指揮者の一人、ジェフリー・ベル]が、同人物をモードックに変身させる予定だったが、製作途中でマーベルからNGが出たため、モードックを登場させられなかったと The AV Club で告白している。
一方で、彼が主人公のアニメーションはあっさり実現。「エージェント・オブ・シールド」でケーニグ兄弟を演じ、『エターナルズ』でピップ役を務めたパットン・オズワルドがクリエイターとして参加し、モードックの声を演じるコメディ・アニメシリーズ「M.O.D.O.K.(モードック)」(2021)が製作され、現在ディズニープラスで配信されている。
『アントマン3』ではどうなる?
そんなモードックが、待望のMCU入りを果たす『アントマン&ワスプ:クアントマニア』。映画での設定は未発表だが、予告編でスコットたちの背景に一瞬見える、マスクを取ったモードックの顔が、『アントマン』1作目のヴィラン・イエロージャケットを演じたコーリー・ストールだったことから、さまざまな疑問が浮上している。
モードックの起源は原作と違うのか、1作目でアントマンに倒されたはずのイエロージャケットは、縮小技術を使って量子世界に侵入していたのか。はたまた、別のタイムラインに存在する変異体なのか、モードックと本作のヴィランと言われる征服者カーンとの関係とは……。謎多きモードックの描かれ方とその活躍に注目だ。(文・平沢薫)