緒方恵美、宮野真守の活躍に感服「どこまでやるの?」 表に出る仕事への思いも告白
声優の宮野真守と緒方恵美が8日、新宿・赤城神社で行われた『シャザム!~神々の怒り~』のヒット祈願イベントに出席し、本作の吹き替え収録の裏側や、声優として表に出る仕事に対する思いを語った。
本作は、魔術師から神々のパワーを授けられた少年ビリーが、体は大人、心は子供のヒーロー・シャザムに変身するアクション大作の続編。神々の怒りを買った半人前ヒーローのビリーが、地球に襲来した神々の娘たちと対峙する。
ザカリー・リーヴァイ演じるシャザムの声を担当した宮野は、ザカリーの表現を研究してから収録に挑んだといい、「彼は本当によく動くんです。その動きが面白すぎるから、日本語でつぶさに伝えたいと思いました」と明かし「ここは大きな声とか、ここは裏返るとか、いっぱいメモをして準備しました」と収録の裏側を告白。そんな宮野に緒方は「ほかの作品だともう少しナチュラルな表現になることが多いんですけど、(ザカリーは)けっこうオーバーアクションだから難しいよね。だからといってアニメとは違うので。宮野くんは頑張りました」とねぎらいの言葉をかける。
緒方は前作に引き続き、シャザムに変身する少年ビリー(アッシャー・エンジェル)の声を担当。アニメ「新世紀エヴァンゲリオン」で14歳のシンジ役を担当してきた緒方は、「本当は子供なところ」というトークテーマに「いちおう大人なんですが、中の人としてずっと14歳の役をやってきて、子供でないといけない人生を送ってきたので。それは特殊業務ですよね」と笑みを浮かべ「常に14歳を(心に)住まわせておかないと成り立たない仕事なので、本当はどころか、永遠に14歳だと思っている仕事でございます」と語る。
その言葉に宮野も「ザカリーさんを演じても心はビリーなので、そこはやはり大事にしたい。僕のすごく尊敬している音響監督さんからは『経験してしまうと、それが声に出るから。その経験値を今すぐ捨てて』と言われるんです。大人になるのは経験するということだから、それをなくすのは本当に大変ですが、それをやっていく仕事なので。その時に感じたことは覚えているし、それを出すのが役者の仕事。感受性はずっと敏感にしていかないといけない。そういう意味で、僕らは永遠に子供です」と続けた。
また、「すごいなと思う声優」というテーマに宮野の名前を挙げた緒方は、最近、宮野が出演するテレビ番組を見たといい、幅広い活躍ぶりに「宮野くんはどこまでやるの?」と問い掛け。「自分たちも、2000年前後に声優が表に出るターンがあって、いろんなメディアに出ていたのですが、その時はだいぶつらいことがあったんです。だからこの(自分の)世代の人たちは、いろいろと思うところがあって、自分も構える部分はありました」と振り返る。
そのうえで「もちろん自分も、いろんな仕事をやらせていただけるならやるべきだと思うんですが、ちょっと怖さのようなものがあって。だからこの時代に頑張って表に出ているみんなは、そういうことをちゃんとこえて、フットワーク軽く仕事をやっているので、すごいなと思います」と若手の活躍に感服の様子。
その言葉に「テレビっ子なので、エンタメの世界が好きというのが自分のモチベーションかもしれないですね。いろんなことにチャレンジするのが楽しいというのが地盤にあります」と返した宮野は、司会者から「宮野さんはどこまでやるんでしょうか?」と再び問われると「とりあえず、神々と戦おうと思います」と映画の内容をからめて返し、会場を沸かせた。(取材・文:壬生智裕)
映画『シャザム!~神々の怒り~』は3月17日より全国公開