「きれいのくに」加藤拓也監督が門脇麦とタッグ!田村健太郎、染谷将太、黒木華と共演『ほつれる』9月8日公開
NHKドラマ「きれいのくに」も話題を呼んだ気鋭の演出家・加藤拓也が門脇麦を主演に迎えた映画『ほつれる』が、9月8日より公開されることが決定した。ある出来事をきっかけに、夫や周囲の人々、そして自分自身と向き合っていく女性を描く物語で、共演に田村健太郎、染谷将太、黒木華ら。
本作は、第30回読売演劇大賞優秀演出家賞、第67回岸田國士戯曲賞を受賞するなど演劇界で注目を浴び、「俺のスカート、どこ行った?」(2019)、「死にたい夜にかぎって」(2020)などテレビドラマの脚本も務めてきた加藤拓也が、オリジナル脚本を手掛けた監督作。
主人公は、夫・文則との関係が冷め切った綿子。友人の紹介で知り合った木村と頻繁に会うようになっていた綿子だが、あるとき木村との関係を揺るがす決定的な出来事が起きる。やがて、平穏に見えた日常の歯車が徐々に狂い始めていく。
主人公・綿子を演じるのは『あのこは貴族』(2021)、大河ドラマ「麒麟がくる」(2020~2021)、「ミステリと言う勿れ」(2022)、『渇水』(6月2日公開)などの門脇麦。綿子の夫・文則に『すばらしき世界』(2021)、大河ドラマ「どうする家康」(放送中)、ドラマ「ブラッシュアップライフ」(2023)などの田村健太郎、その存在が大きな転回点となる男・木村にNetflixシリーズ「サンクチュアリ -聖域-」も話題の染谷将太、綿子の親友・英梨に映画『ヴィレッジ』『せかいのおきく』が公開中の黒木華がふんする。
加藤監督にとって長編映画の監督を務めるのは『わたし達はおとな』(2022)以来となり、「この作品では当事者性を感じることができない、またはしないで、向き合うことを諦めているある一人のもつれが描かれています。それが小さなことから大きなことまで、いかに繰り返されているのかということが、私にとって二本目の映画になりました」とコメント。
主演の門脇は、本作を「人生には誰しも何かを選択せねばならない瞬間が何回かあって、その瞬間は点でもさまざまな過程が入り混じった線があるからこその今に至る、その繰り返しが人生なのだと思います。この物語は1人の女性のとある時期の点と線を描いた物語です」と紹介している。
ティザービジュアルは、主人公・綿子が光の差す部屋で佇む姿を捉えている。
門脇、田村、染谷、黒木のコメント全文は下記の通り。(編集部・石井百合子)
映画『ほつれる』は、新宿ピカデリーほか全国公開
門脇麦(綿子役)
人生には誰しも何かを選択せねばならない瞬間が何回かあって、その瞬間は点でもさまざまな過程が入り混じった線があるからこその今に至る、その繰り返しが人生なのだと思います。この物語は1人の女性のとある時期の点と線を描いた物語です。物語というより観察、記録、にも近い感触が残るのではないかと思います。映画のメッセージも答えも全て観てくださる方に委ねられている作品です。是非劇場に足をお運びください。
田村健太郎(文則役)
目の前には門脇さん演じる綿子がいて、ガラス細工のような台本があって、『やってみましょう』と加藤監督がポツリと言って始まり、役者、照明、撮影の歯車を変えてもう一度やってみる。その繰り返しでした。そうやって静かに淡々とひとつに向かう、皆が職人のような、工房のような現場でした。とても幸せでした。組み上がったものを思い出すと、人間を不思議に思ったり、生々しさに後ろめたくなったり、また雲間からのぞく三日月みたいな業に不覚にも見とれてしまう瞬間もあったりで…この作品に今だに掻き乱されてます!
染谷将太(木村役)
自分を見つめる事ほど難しい事はありません、様々な関係性の視線の先に自分が居るとするならば、自意識も1つの視線でしかない、綿子が1歩踏み出した自分を求める旅路を加藤監督は細部まで見事に映画に落とし込んでいて圧巻でした。加藤監督の書くセリフはとても繊細な言葉達で、会話を作り上げるのがとても楽しい作業でした。皆様にはスクリーンであの緊張と緩和の空気に揺さぶられて欲しいと願っております。
黒木華(英梨役)
加藤さん演出の舞台に出演させていただいてから、この人とは必ずもう一度仕事をしたい、と思っていました。それからあまり日を待たず、今度は映画という場でご一緒することができ、大変嬉しく思います。「ほつれる」という単語を皆さんがどう捉えられるか、映画を見ていただけるのが楽しみです。