山寺宏一、後輩・花江夏樹「飛ぶ鳥を落とす勢い」と意識 中国発アニメで師匠役
声優の花江夏樹と山寺宏一が27日、都内で行われた映画『雄獅少年/ライオン少年』の公開記念舞台あいさつに出席。事務所の後輩である花江を「飛ぶ鳥を落とす勢い」と表現した山寺は、「花江くんが(自分の声を)聞くのかと思うと、ちゃんとやらないといけないと思い、ものすごく意識しました」とアフレコを振り返った。この日は、花江と山寺と同じく日本版声優を務めた桜田ひより、山口勝平、落合福嗣も登壇した。
『雄獅少年/ライオン少年』は、中国の伝統芸能である獅子舞を題材にした長編アニメーション。田舎で暮らす少年が獅子舞と出会い、演武にチャレンジしながら仲間たちと一緒に成長していく姿を描く。中国では2021年に公開されると、動員638万人の大ヒットを記録した。
主人公・チュン役を務めた花江は、「獅子舞というとお正月のイメージだったので、最初に聞いた時はそれが面白いのかなと思っていたのですが、実際はイメージしたものと全然別物で、あんなに激しく動いて、そして映像として映えるアニメに仕上がっていた。そこはすごくビックリでしたね」と完成度の高さに驚きを隠せない。
中国屈指のクリエーターが制作した写実的な映像美を誇る本作について、山寺が「この作品の映像はビックリするくらいにキレイだし、アニメーションも緻密につくられているので、なるべく寄り添うようにやらせていただきました。ちょうど実写とアニメの中間くらいの感じだった」と語ると、山口も「観ていると実写だったっけと思うような瞬間もあるんですよね。やはりキャラクターたちが生き生きと動いているから」と深くうなずいた。
主人公と同名のヒロイン・チュンの吹き替えを担当した桜田は、「第一印象では芯の強い女性だなと感じました。女性があこがれる理想像。芯が通っていて、自分の意見をハッキリ言えて、夢に向かって突き進んでいく。あこがれの女の子を詰め込んだ女性」と役へのイメージを抱いたという。収録はひとりで行ったとのことで、「本当に皆さんがわちゃわちゃしているのを見ていたので、楽しかったです」と笑顔を見せた。
アフレコについて「楽しかったですよ」と振り返った山口は、自身が演じたキャラクター・マオを見た際に「パッとみて、あ、また猿だなと思いました」とぶっちゃけて会場は大笑い。大の猿好きで知られ、「ジャングルの王者ターちゃん」などで猿を演じたこともある山口は、「素直にうれしかったです。中国にものすごく面白い獅子舞のアニメがあると、うわさで聞いていたので、話が来た時は『これか!』と思いました」と振り返った。
一方、主人公たちに獅子舞を教える師匠・チアン役の山寺は「今、飛ぶ鳥を落とす勢いの花江くんの師匠役ということですから。そこは意識しましたよ」と笑いながら切り出すと、「僕が先に録ったので、その後に花江くんが(自分の声を)聞くのかと思うと、ちゃんとやらないといけないと思って。そこはものすごく意識しました」と述懐。先輩の言葉に、花江も「足の臭いもちゃんと感じました」と山寺が演じたキャラクターにちなんだコメントで返答し、会場を大いに沸かせた。
イベント中には、中国のスタッフからのサプライズイラストも披露された。主要キャラクターたちと共に、花江や桜田の姿も一緒に描かれており、「おお!」「すごい!」と感激の言葉が漏れる登壇者たち。花江が「なじんでいますね。ワンシーンのような、オフショットのような」と喜ぶと、桜田も「わたしの衣装はたぶん、前回の舞台あいさつの時のものですね。再現度が高くてうれしい」と笑顔を見せた。(取材・文:壬生智裕)