白川裕二郎＆姜暢雄、ゴウライジャー20年の絆 後輩戦隊につなぐ「周年作品」のたすき
20周年を迎えた特撮ドラマ「忍風戦隊ハリケンジャー」（2002～2003）で、ハリケンジャーと対になる戦隊「電光石火ゴウライジャー」を演じた白川裕二郎（カブトライジャー／霞一甲・一角役）と姜暢雄（クワガライジャー／霞一鍬・一牙役）。新作Vシネクスト『忍風戦隊ハリケンジャーでござる！ シュシュッと20th Anniversary』で同役を再演する二人がインタビューに応じ、20周年作品への思い、テレビシリーズ当時の思い出を語った。（取材・文：編集部・倉本拓弥）
【動画】最初は不仲だった？白川裕二郎×姜暢雄、ゴウライジャー20年分の思い出トーク
「全員で楽しむ」大切さを再認識
Q：「ハリケンジャー」2度目の周年記念作品、ゴウライジャーとしてどのような思いで臨みましたか？
白川裕二郎（以下、白川）：『忍風戦隊ハリケンジャー 10 YEARS AFTER』（2013）から10年が経ち、「ハリケンジャー」も20周年を迎えたので、当時から応援してくださるファンの方や、本作を観てファンになる方にも楽しんでいただける、新たな作品にしたいと思いました。スタッフさんとも力を合わせて、素晴らしい作品にしたいという気持ちで頑張りました。
姜暢雄（以下、姜）：10年前は同窓会のようなにぎやかな作風でしたので、今回は40歳前後になった僕たちが、淡々と仕事に身を投じられたらいいなと意気込んで現場に入ったのですが、初日でその思いが崩れました（笑）。今回、スーパー戦隊を初めて京都撮影所で撮るということで、京都のスタッフさんもすごく楽しんでくださっているのを感じましたし、「ハリケンジャー」は演者も視聴者も製作チームも全員で楽しまなきゃいけないということを再認識しました。
Q：テレビシリーズから20年後にゴウライジャーを演じてみて、新たな発見はありましたか？
白川：20年も経っているので、自分自身も気持ちが柔らかくなっていると感じました。人間誰しも若い頃はトゲがあったりしますが、時間が経つと丸くなりますよね。そういったイメージが、一甲にもありました。あとは、20年経てば、食べられなかったものが、大人になって食べられるようになりますよね（笑）。
姜：確かに。20年前は納豆が嫌いでしたけど、食べられるようになりました（笑）。
本当の兄弟のような関係へ
Q：一甲＆一鍬の初登場回となった第7話「雷とニンジャ」の撮影は今も覚えていますか？
白川：クランクインから1か月後ぐらいだったと思います。実は当時、僕と姜さんの仲は良くなかったんです。お互いトゲトゲしていたのだと思います。後からノブ（姜）にそのことを聞いた時、ものすごくショックで……これから1年間、兄弟としてやっていかなきゃいけないという時にですよ！（笑）
姜：当時は、誰とも仲良くする気なんてないと思っていたんです……（笑）。
白川：でも「ハリケンジャー」の撮影で心を許してくれて、お互い打ち解けて、最後には（姜が）一番男泣きしていたメンバーだったんです。
姜：どんどん仲良くなって、二人でよく遊んでいました。東映の撮影所の近くにあるゲームセンターで、太鼓の達人をプレイしたのは今も覚えています。後にゴウライジャー二人で太鼓を叩くシーンも登場したんです。
白川：仲良くなるまで、そこまで時間はかかりませんでした。そこから、本当の兄弟みたいにお互いの家を行き来したりとか、一緒にご飯も食べに行ったりしていました。
Q：ゴウライジャーの名エピソードの一つとして、第18話「父と兄弟の絆」が挙げられます。一甲＆一鍬の絆が描かれた回ですが、改めて振り返ってみて思うことはありますか？
姜：僕たちがフィーチャーされる回だったので、特に気合いが入っていました。城ヶ崎でのロケだったのですが、撮影直前に足を踏み外してしまい、片足が海に浸かってしまって……ビチャビチャのまま撮影したことが思い出です。
白川：あの回の撮影は、スタッフさんがすごく気を遣ってくださっていました。演技に集中できるように少し距離を取ったり、普段は和気あいあいな雰囲気なのですが、あの回は特に僕たちがお芝居をしやすいような環境を作ってくださったことが印象的でした。
俳優を辞めよう思っていた…「ハリケンジャー」オーディション秘話
Q：他にゴウライジャーで印象に残っているエピソードはありますか？
姜：ハリケンジャーはもちろん、ゴウライジャーもヒーロー活動の合間にアルバイトしていましたよね。
白川：一鍬と一緒に工事現場で働いていました。夜は山奥で寝ていたりして……。1年間出演させていただける作品は滅多にないので、いろいろな場所に連れて行っていただきましたし、思い出はたくさんあります。
姜：僕は「ハリケンジャー」のオーディションに落ちたら、俳優を辞めようと思っていたんです。当時オーディションに落ちまくりで、やる気を失っていた時期でした。「また今年も落ちるんだろう……」と思って受けた「ハリケンジャー」が決まったおかげで、今この場にいることができています。「ハリケンジャー」後もたくさんの作品に出演させていただきましたが、やはりこの作品は思い入れが深いですし、思い出すことは山ほどあります。
Q：「ハリケンジャー」はスーパー戦隊で初めて周年作品を実現させた、先駆者的な存在です。未来のスーパー戦隊を担う後輩たちに、どのような思いを伝えたいですか？
白川：スーパー戦隊は、何十年経っても変わらないヒーローだと思います。いつまでも子供たちをワクワクさせる色あせない作品を、後輩たちにも作っていただきたいです。
姜：歴代スーパー戦隊が10年後、20年後に再集結して何かを作るという、たすきの受け渡しが今後も続いていってほしいです。当時子供だった視聴者が10年後、20年後に観たら、楽しみも増えると思うので、僕たちが先陣を切った周年作品を、後輩にもつなげていければと思います。
Vシネクスト『忍風戦隊ハリケンジャーでござる！ シュシュッと20th Anniversary』は6月16日（金）より期間限定上映、Blu-ray＆DVDは10月25日（水）発売