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Netflix「離婚しようよ」仲里依紗が熱演する劇中ドラマの裏側

Netflixシリーズ「離婚しようよ」(独占配信中)より、国民的人気女優ゆい(仲里依紗)と若手イケメン俳優・堀米削也(神尾楓珠)
Netflixシリーズ「離婚しようよ」(独占配信中)より、国民的人気女優ゆい(仲里依紗)と若手イケメン俳優・堀米削也(神尾楓珠)

 松坂桃李仲里依紗が夫婦役で共演するNetflixシリーズ「離婚しようよ」(独占配信中)。本作で、仲演じる国民的女優の劇中ドラマ2作品のコンセプトを、プロデューサーの磯山晶とチーフ演出を務めた金子文紀監督が語った(※一部ネタバレあり)。

【画像】宮藤官九郎脚本の朝ドラ

 本作は、結婚5年目を迎え気持ちが冷め切った女性にだらしないお坊ちゃん三世議員・東海林大志(松坂)と、女優ゆい(仲)が、離婚という目標に向かって共闘するコメディー。磯山Pと「池袋ウエストゲートパーク」(2000)や「俺の家の話」(2021)などで組んだ宮藤官九郎、「恋する母たち」(2020)などで組んでいる大石静が共同で脚本を執筆した。

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 劇中、ゆいの出演するドラマが、愛媛を舞台にした「巫女ちゃん」と、恋愛モノの「愛とか恋とかおいといて君の雑炊が食べたい」(以下、『君雑』)。「巫女ちゃん」はゆいがブレイクするきっかけになった代表作で、大志が地元・愛媛で選挙活動をする際にはゆいの協力が必須だ。二人が不仲になった背景には、かたやCM契約数6社、SNSのフォロワー数100万人の人気を誇る国民的人気女優、かたや女子アナとのスキャンダルや失言の連続で失墜した政治家というパワーバランスがある。「巫女ちゃん」というタイトルは宮藤が脚本を手掛けた朝ドラを彷彿とさせるものだが、磯山Pはコンセプトをこう語る。

 「『巫女ちゃん』の劇中台本はすべて大石さんが書かれています。パッケージには宮藤さんも関わっていますが。国民的ご当地ドラマということで、実は、最初は中国地方でロケを考えていたんです。出雲大社とか。山陰、中国地方は神社の存在が大きいのと、ピュアなヒロイン像というイメージには巫女がいいのではないかと。最終的には愛媛ロケになりましたが、巫女はビジュアルも分かりやすいので。タイトルと、“かしこみかしこみ~”のフレーズは初期の打ち合わせで一気に決まりました」

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ゆい主演の人気ドラマ「巫女ちゃん」

 「巫女ちゃん」の演出ポイントについて、金子監督は「ご本家に怒られないようにっていうのはちょっと意識しましたけど(笑)、テレビに映るゆいはすごく天真爛漫なのに、うちに帰ったらこんなだよっていう差を出すことが大事でした。本当は19、二十歳ぐらいの若手が演じる設定なので、仲さんにはゆいの年齢よりも低い感じで演じてほしいとお願いしました」

 もう一本が金曜ドラマ「愛とか恋とかおいといて君の雑炊が食べたい」。神尾楓珠演じる若手イケメン俳優・堀米削也が社長役、仲演じるゆいが秘書役の設定。秘書が社長から熱烈なアプローチを受け……というストーリーで、堀米もまた密かにゆいにモーションをかけている。ラブシーンが多く、ゆいのマネージャー・笹井(少路勇介)が思わず「それどういう状況!?」と突っ込むようなぶっ飛んだ濡れ場もある。

 磯山Pは、このドラマの役割を「ゆいは仕事ではたくさんキスしているけど、実際は貞淑。なのに、本来は貞淑であるはずの夫がチャラく暮らしているっていうことの対比にしたくて」と説明。作品のイメージについては「タイトルは宮藤さんが某青春映画から連想したと思いますが、初めて読んだとき笑っちゃいました(笑)。台本は大石さんが書かれていて、テイストを韓流っぽくしたいと。イメージとしてロマコメの『キム秘書はいったい、なぜ?』を挙げていらっしゃいました。劇伴は、C-C-B(1980年代に活躍したポップ・ロック・バンド)と、イモ欽トリオの『ハイスクールララバイ』のようなイメージでと発注しました」と話す。

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 「君雑」では、キャラクターの人となりが垣間見える社長室のセットも目を引くが、金子監督も撮影当日、想像を上回る美術の凝りように驚いたという。「神尾さん演じる俳優の役設定が御曹司なんですよね。ちょっとナメた社長のイメージ。だから社長室も“自分の部屋っぽく”しようという話になって。割と広い部屋だったので、何でこの空間を埋めようとなったときに美術さんが自転車とか体を鍛えるマシンとか、あらゆるものを置いてスペースを埋めてくれて。ビックリしました」

 ゆいとシンクロするかのようにヒロインが波乱に満ちた運命をたどる「巫女ちゃん」、そして若手注目株・堀米がゆいに一方的に迫る「君雑」の撮影現場も、ゆいのキャラクター造形を豊かにしている。(編集部・石井百合子)

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