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菊地凛子、上海国際映画祭・最優秀女優賞受賞の瞬間振り返る

菊地凛子
菊地凛子

 菊地凛子が10日、映画『658km、陽子の旅』(7月28日公開)完成披露試写会舞台あいさつに出席。菊地は本作で第25回上海国際映画祭のコンペティション部門において最優秀女優賞を獲得し、「温かく迎えてくださり、なおかつ賞をいただけてとても嬉しかった」と受賞の瞬間を振り返っていた。舞台あいさつには、竹原ピストル黒沢あすか吉澤健風吹ジュンオダギリジョー熊切和嘉監督も出席した。

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 本作は、映画『私の男』『#マンホール』などを手掛けた熊切監督が、「TSUTAYA CREATORS' PROGRAM 2019」脚本部門で審査員特別賞を受賞した室井孝介の脚本を映画化。菊地演じる42歳のフリーター・陽子が、20年以上も疎遠になっていた父親の訃報を聞き、故郷である青森県弘前に、東京からヒッチハイクをするなか、さまざまな人々とで出会うことで変化していく。

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 菊地の最優秀女優賞をはじめ、最優秀作品賞、最優秀脚本賞(室井孝介、浪子想)を受賞した本作。菊地は「映画祭の会場も広く、ノミネートされた関係者もたくさんいたんです」と映画祭を振り返ると「自分たちは会場のど真ん中の席で、左右どちらにも出られない場所に座っていました。ほかの受賞者たちは端の方に座っていたので、これはないかもね」と半ば受賞を諦めていたという。

 そんななか、菊地の名前が呼ばれると「とてもびっくりしました」と胸の内を明かし「初めて作品を観ていただける場所だったのですが、とても温かく迎えてくださいました。なおかつ賞をもらえて嬉しかった」と笑顔。

 また菊地が受賞のスピーチのため舞台に上がると、ど真ん中に座っていた熊切監督が菊地を撮影している手が震えている姿が目に入ったという。菊地は「熊切監督の手の震えを見て感極まってしまいました」と語ると、熊切監督も「僕は(菊地が賞を)獲ると思っていました。圧倒的でした。でもステージに上がっている姿を見て感極まって手が震えてしまいました」と照れ笑いを浮かべていた。

 菊地は劇中、ほとんどのシーンに登場する役柄だ。「お客さんが目を離せない演技ができるか」と大きなチャレンジだったことを明かすが、陽子の従兄・茂を演じた竹原は「菊地さんはとにかく居心地がいい方」と評すると、陽子の旅の途中で出会う毒舌のシングルマザーを演じた黒沢も「黙っていても時間を共有できる居心地の良い人」と菊地の自然体で現場にいる佇まいを絶賛していた。

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 菊地は「役名がついた役で出演させていただいた20年前の作品(映画『空の穴』(2001))で、熊切監督はわたしに映画の楽しさを教えてくださいました」と振り返ると「40歳を迎えて、いろいろな意味で今後どんな役をやれるのか、漠然とした不安があるなか、この作品をいただけました。誰一人欠けてはいけないスタッフの方たちと映画を作ることができたのが何よりも幸せ。自分にとっても宝物になりました」と本作との出会いに感謝していた。(磯部正和)

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