『トランスフォーマー』最新作、ジョーク連発で大活躍!ミラージュのセリフはほぼ即興
『トランスフォーマー』シリーズ最新作『トランスフォーマー/ビースト覚醒』(全国公開中)を監督したスティーヴン・ケイプル・Jrが、バンブルビーに代わって、本作で人間側の主人公と心を通わせるオートボット、ミラージュについて語った。
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あらゆる物体に変形する金属生命体と人類の戦いを描いてきた、『トランスフォーマー』シリーズの新たな幕開けを飾る本作。1994年を舞台に、惑星を捕食する強大な敵ユニクロンから地球を守るため、オプティマスプライム率いるオートボットと、動物からロボットに変形する新種族・マクシマルが共闘する。
彼らの戦いに巻き込まれる人間側の主人公が、元陸軍の通信技術者ノア・ディアス(アンソニー・ラモス)だ。病弱な弟の治療費に苦心するノアは、駐車場に放置されていたミラージュが変形する964型ポルシェ911に乗り込んだことから、地球の運命を左右する戦いに身を投じることになる。
ミラージュは、リーダーのオプティマスプライムにも小粋なジョークを連発する、オートボットのムードメーカー。身を潜めることが苦手なお調子者だが、仲間思いでその実力は確かなもの。いくつもの幻影(ミラージュ)を作り出して敵を撹乱する。
ノアと友情を築くミラージュの声を担当したのは、『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』でブラックガード役を務めるなど、俳優としても活躍するコメディアンのピート・デヴィッドソン。終始ゴキゲンな彼のセリフは、その多くがピートの即興から誕生したとケイプル・Jr監督は語る。
「ピートにはオーディションで、ミラージュとノアが初めて出会うシーンを演じてもらいました。そのシーンだけを抜き出した台本を渡していたのですが、その時点で彼のアドリブが炸裂していましたね。オーディションの時の即興セリフを、逆に本編にもってこようと提案したらスタジオも気に入ってくれて、セリフに加えたりしたんです」
「そうやって生まれたミラージュの場面はいくつもあります。ミラージュがノアにやたらとグータッチをさせようとする場面もそうです。ピートはミラージュ役に没入してくれて、とにかく最高のセリフを引き出してくれました。ノアに『仕事仲間だ』と言われたミラージュが、『俺の中にいただろ!』(You were inside me!)って際どいセリフで返す場面があるのですが、そこも彼のアイデア。一番観客の笑いを誘っていましたね」
ピートのアイデアは止まらず、『マスク』(1994)のジム・キャリーや、アダム・サンドラーといったキャラクターからの引用を駆使して、映画の舞台となった時代にリスペクトをささげていったという。「1990年代を代表するような引用をたくさん引き合いに出して、その時代に敬意を払うというアイデアを思いついてくれたんです。収録の間中、そうやって楽しんでいましたね」
ちなみにミラージュは監督にとっても思い入れのあるキャラクターとなった。劇中で彼はポルシェ911に変形するが、ケイプルは、その理由のひとつに「実はマイケル・ベイ監督の『バッドボーイズ』(1995)へのオマージュなんです」と明かしている。「あの映画で初めてポルシェの存在を知ったのですが、見た瞬間、“なんだよ、ウィル・スミスがかっこいい車に乗ってる!”と思いました。このようにオマージュを捧げるのは楽しいですよね」(編集部・入倉功一)